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Mさん(男生徒)国立筑波大学附属高等学校出身

9月に渡英してから早くも3ヵ月が経った。この3か月間は「異国での生活に慣れる」をコンセプトとして生活してきた。住環境の変化は初めての体験だったため、最初の数日間は戸惑うことが多くあったが、最近ではそれらもなくなり、イギリスでの生活が新しい日常になりつつある。英語や異文化交流などの渡航前に持っていた不安もすぐに払拭され、杞憂だったということを理解した。今回は自分が感じたイギリスと日本の相違について書いていこうと思う。

まずは言語面だが、やはりこれが一番大きな変化だと感じている。渡航後すぐは簡単な日常会話や、事務的なやり取りでさえ苦労していた。日本語は頭の中に浮かんでいるのにそれを英語に変換できないもどかしさもあった。そのため日記を英語で書いたり、隙間時間に英語のラジオを聴いたりするなど、自由時間の中にも英語を取り入れていち早く慣れようと努力してみた。その結果として、リスニングやリーディングのようなインプット系の技術はかなり向上した。逆にスピーキングやライティングなどの自分で一から英語を作り上げるアウトプットはいまだに苦手としており、今後の課題だと認識している。

勉強面では、内容は日本の高校と大差はないが、授業のやり方がかなり異なっているなと感じた。Kingswood Schoolではデジタルデバイスを活用した授業が多く行われている。日本の高校ではいまだに黒板を使用したアナログな授業の形態が一般的だが、イギリスではほぼすべての授業でプロジェクターとパソコンが使用されている。生徒の出欠や課題の提出状況もインターネット上で一括管理されている。さらに校内はWi-Fiが完備されており、授業中に自分の端末でリサーチすることもできる。日本でもGIGAスクール構想が進んでいるが、イギリスのシステムは一歩先に進んでいるなという印象を受けた。これらのシステムを効率的に使うことで自分の学習速度もかなり上がった。

最後に文化面で自分が一番衝撃を受けたことは、他の生徒が日本に対して好意的な印象を持っているということだ。例えば、去年の夏に一年遅れの東京オリンピックが開催されたが、国内での評価はあまり良いとは言えないものだった。一方でイギリス人や留学生の評価は好評で、「あの大会は良かった」と口々に言われた。また文化的な側面では、アニメや漫画といったサブカルチャー寄りの文化が、イギリスでは若年層を中心に広く受け入れられている。これまで私は長期間にわたる海外渡航や、外国人と会話を行うといった「外との交流」が少なかった。そのため、日本という国が世界からどのように評価されているのか分からず、偏った見方しかできていなかった。しかし学校内外で多種多様な人々と会話を重ねていくことにより、外国人の目から見て日本がどう評価されているかを客観的に知ることができた。

最初の数週間はこれらの違いに困惑することもあったが、徐々にこちらでの生活にも順応出来てきたように思う。次のタームではさらに一歩ステップアップし、学校外で行われるボランティア活動や実際の職場で仕事を体験するWork Experienceに積極的に参加することを目標に過ごしていきたいと思う。