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Kさん(女生徒)国立東京学芸大学附属高等学校出身

ついに高校課程を修了し、これまでの報告ができることを嬉しく思う。Christ’s Hospitalを離れてから2年、貴重な数々の経験をさせていただき、そしてこれから再び英国で学べることに感謝し、ここにまとめたいと思う。
コロナの影響も色濃かった2021年9月、Christ’s Hospitalに入学した。しかし不意なことから体調を崩し、1年後に日本へ帰国することとなった。一年遅れてではあるが、イギリスの大学に進学できるまでには財団、先生方、そして家族の粉骨砕身のサポートがあったからである。思えば帰国当初の私に、財団や両親がAレベルの受験勉強を続けさせてくださったことがその後の目標となり希望となった。

しかし、いざ日本でAレベル受験の準備をしようといっても容易ではなかった。当初は一年留年をしてChrist’s Hospitalに復学する予定であったから、Aレベル一年目の内容を復習して二年目に繋げられるように学校を探していたが、ラテン語を専攻していたため受け入れてくれる学校は殆どなかった。そんな折にCrimson Global Academy(CGA)というオンラインスクールに出会った。元々はニュージーランドから始まったオンラインスクールであったが数年前に日本にも進出し、東京校を通じて日本国内での教育体制が整っていた。代表の方との面談後、ラテン語を取り扱ってくださることになり、CGAでの受講を開始させていただくことになった。それでも軌道に乗るまでにはいくつもの壁があった。
まず、先生が見つからないことであった。特にラテン語はAレベルで学ぶ生徒がいないためかなかなか先生が見つからず、授業が始まるまでに時間を要した。
次に先生が見つかってもカリキュラムが違うということだった。先述の通り復学するために、元々はExam boardを変えずに勉強するつもりであった。しかしイギリス国内生用カリキュラムはCGAの扱うインターナショナル生用のものとは異なるため、オンライン上で公開されている指導要領や過去問を基に各教科の先生方と手探りで模索しながら授業を続けることとなった。
最後に、なかなか他者とコミュニケーションができないということだった。グループレッスンも視野に入れていたもののカリキュラムの違いから叶わず、家でのオンライン授業が中心のため情報交換が容易ではなかった。そのため幼い頃から続けていたバレエを再開したり、CGAの企画する対面イベントに参加したりして人との交流を意識して行った。また、イギリス国内生用のカリキュラムを選択していた私は、Aレベルの資格を得るためには履修していた化学の実験を行う必要性があり、試験直前に1週間ほどイギリスに滞在してコースを受講するという機会もあった。そこでは普段対面の授業がないだけに久しぶりに対面でクラスメートと会話し、コミュニケーションをとりながら授業を受けることができた。彼らのほとんどはそれぞれ特別なバックグラウンドを持った人たちであったから、そんな人たちの話を聞き情報交換することで、一人で戦っているわけではないという心強さと試験へのモチベーションに繋がった。
これらの壁を乗り越えて、帰国してから一年目のAS試験、大学受験、そしてAレベル試験を無事終わらせることができた。しかしここまでの道のりも、本当に困難な時に伴走してくださる人たちが周りにいたからこそ成し遂げることができたとつくづく感じる。この2年間で無念さや困難を感じることもあったものの、この2年間の貴重な経験があったからこそ新しい視点を備えた“私”として9月から新たな舞台に立つことができる。やっと学びたい学問を学べる喜びを噛み締めて、英国の地へ向かいたい。