昨年の9月に渡英してから早くも四季が巡り、2年目に突入しようとしていることに時の流れを感じます。1年目はイギリスでの生活に早く慣れ、自分のペースを作ることに重点を置いて取り組んできましたが、来年度はこの1年間の経験を踏まえ、大学受験に向けて自己を高めることに主眼を移していきたいと思います。1年目と2年目の架け橋であったこの夏休みには2つのサマーコースに参加させていただき、私が興味を持ち、一年間学んできたラテン語をさらに深めるとともに、大学受験への準備にも繋げることが出来ました。そのため、今回のレポートでは夏休み中の経験について報告しようと思います。
JACTラテンサマーキャンプ
私は7月下旬に2週間にわたるラテン語のサマーキャンプに参加させていただきました。学校とは異なり、参加者全員がラテン語や古典学に興味を持っており、大学での専攻を考えて私と同じようにAレベルに向けて勉強している人たちも多い中、ラテン語の教師として学校で教えることを目指して参加した人や大学での研究を深めるために参加した人、またラテン語を初めて学ぶ人も参加しており、さまざまな目的を持つ幅広い人々と関わることが出来ました。授業内ではひたすら文章の翻訳、読解を繰り返したことで、圧倒的に語彙力や基礎的な知識が足りていないということを改めて実感させられ、新たな課題が見つかりました。授業外の時間でも同じ寮の先輩方の議論に参加させていただいたり、大学のことやラテン語の学習方法についてのアドバイスをいただいたりしたことは私にとって大変貴重な経験になりました。
また、サマースクールでの学習の一環に大学の先生方による講演会や、ハドリアヌスの長城での現地学習など、“本物”に触れる機会があり、今までは文学の中だけの世界であったラテン語やそれを取り巻く古代ローマの時代・文化を生きた存在としてより身近に感じるようになりました。
今回のJACTサマーキャンプでの経験を通して浮き彫りになった課題に焦点を当てて今後も勉強していくとともに、これまでは受け身になってしまうことの多かった議論においても自分の意見を交わせるように更なる専門知識を深めていきたいと思います。
TOPSサマースクール
8月中旬にはTOPSに参加させていただきました。昨年はオンラインでの参加となり、他のコースとの兼ね合いや時差などの関係で日程に余裕を持って参加することが出来なかった上、必要な知識が足りていなかったため、先生方の英語や慣れない授業スタイルに躓き、受け身で聞くことしかできませんでした。
しかし今回改めて参加させていただくと、イギリスで一年間学んだことによって得た基礎的な共通知識や英語力により、初めて学ぶ分野においても理解の幅が広がり、授業中も積極的に発言できるようになっていたことに自分なりの成長を感じました。また、講師の先生方は初めてイギリスで学ぶ日本の学生に向けた内容で授業を構成してくださっていたため、興味深く、楽しんで授業を受けることができました。その中でも特にRoman MythologyとHistory of Englishは以前から私が関心を持っていた分野であったことから、自分の興味を更に深めることができたことに加え、その学問に関連した新しい知識にも出会うことができ、とても充実したものとなりました。
ラテン語を“狭く、深く”学び、スキルを磨くことを目的としたJACTのサマースクールとは異なり、古典という学問への入り口として“広く、浅く”学ぶことができ、更には新しいテーマにも出会えたTOPSに参加させていただけたことは今後の学習において大きなプラスになりました。
その他の活動等
これらのサマースクールの他にも、ホストマザーのサポートにより、ボランティア活動に参加することが出来ました。主にホストマザーの勤務している学校で子供たちの自然教育に関わる活動をしましたが、豊富な自然の中で行うForest Schoolや昆虫探し、『はらぺこあおむし』の物語に沿って散策や制作を行う活動など、子供たちの想像力や興味を掻き立てる体験を目の当たりにし、生き生きとした子供たちの姿やそれを支える周りの大人の存在に私自身、多くのことを学ぶことが出来ました。
そしていよいよ長いようで短い夏休みが終盤を迎え、Sixth Formの最終学年としての忙しい一年が幕を開けようとしています。もちろん大学受験やA-level試験に向けて学習面で大変な一年になることと思いますが、1年目を経験しているからこそ去年とは違う視点で、イギリスでの高校生活最後の一年を満喫していきたいと思います。
最後に、忙しい中にも関わらず、学習面、生活面の両方においてサポートし続けてくださっている財団の方々、ガーディアン、ホストファミリー、先生方そして家族に心からの感謝をこの場を借りてお伝えしたいと思います。応援してくださる皆さんの期待に応えられるように、学習面・健康面共に、この一年間も引き続き努力を重ねていきます。