新緑の芽吹きとともに花びらの吹雪く季節となりました。春の陽気に包まれる日が続くと思えば一転して雨や雪が降り、不安定な天気に振り回されているこの頃ですが、気が付けば既にイギリスでの2学期目が終わり、渡英から8か月目を迎えていることに驚きを隠せません
学校では今学期からcovid-19への対応が大きく変化し、本来のCHらしい生活に新鮮さを感じるとともにBack to Normalへの不安も感じています。学期の途中からはマスク着用義務と二日に一度行われていたLateral flow testがなくなり、全校生徒でのChapel やAssembly、Marchingが行われるようになったことで、イギリスに来てから当たり前だったコロナ対策の光景が一変してしまったことに大きな衝撃を受けました。規制の緩和でパンデミック以前の生活を徐々に取り戻しつつあることにより、学校内ではA-levelを控える最高学年で集団感染が発生したり、同じ寮内や同級生の間でも感染が相次いだりしており、まだまだ気が抜けない状況にあるというのが現状です。しかしそれと同時に授業内でも他寮の友達とのペアワークが行われるようになり、夕食時も自由に食べることができるようになったことにより、今まで関わることの少なかった友達との距離が縮まったと実感しています。
一方で学習面については今学期もラテン語に注力することが多かったので、ラテン語の授業に焦点をあてて書きたいと思います。
ラテン語の授業はLanguageとLiteratureに分かれており、Languageでは文法や語彙を中心に、Literatureではラテン語で書かれた作品の読解を中心に進められます。Languageではある程度、前提知識がありましたが、Literatureの授業では語彙力や修辞法、表現技法についての知識はもちろんのこと、歴史的背景や文化といった背景知識も求められるため、殆どゼロからスタートした私にとっては話の流れさえも掴めないことがしばしばありました。しかし授業では一つの作品にかける時間が長く、一学期間に一つの題材しか取り扱いません。また日本での現代文や古文とは異なり、内容や表現を学ぶだけではなく言葉の一語一語に注目し、その時代背景に目を向け、様々な知識を関連付けることで読解を深めることができるのでとても充実した授業となっています。
今学期は試験に向けてエッセイに主眼をおいて課題が設定されることも多かったのですが、エッセイを書くだけの英語力に自信がなかった私は作品を分析し、問題に結び付けてエッセイを書き上げるのに時間がかかってしまい、限られた試験時間の中でどうエッセイを書くかが大きな課題でした。また英語の表現の細かなニュアンスの違いによって、論じたいことの強さが十分ではないということも課題となっていました。
そのためラテン語の先生だけではなく、英語の先生にも書いたエッセイを添削していただき、英語とラテン語の両方から強化することでエッセイのスキルを伸ばせるように日々練習をしています。また読解の方法についても英語の先生と英語の題材を用いてその内容について議論をすることで、それらの弱点を強化しています。とはいえ、まだ思うような文章を書くことが出来ず、時間の制限があるとエッセイのクオリティも下がってしまうので、回数を重ねることで弱みを強みに変えていきたいと思います。
このように、先行きが不透明な状況の中でも自分の興味のある分野を精一杯に楽しむことができるのは財団の皆様方やChrist’s Hospitalの先生方、周りの方々の支えがあるからこそできることです。このような環境で学べることに感謝し、これからも自分の興味を深めていきたいと思います。