Fettesでの最終週は、A-levelの試験を終えた喜びと同時に、卒業を目前にした寂しさの中、過ごしました。出発前レポートを書いていたときは、いつかボーディングスクール修了後のレポートを書く時が来るのだろうなと、ぼんやりと思っていましたが、その「いつか」がもう来ていることにとても驚いています。本レポートでは春タームと夏タームに分けて、A-levelに向けた準備とその試験について、書いていこうと思います。
春タームはMock Examsという、校内で行われるA-levelの模擬試験がありました。過去問などを使って、その時点での自分の習熟度を試す機会で、残り数ヶ月でどんなことに取り組んでいくべきかを明確にすることを目的としています。私は大学の筆記試験とMock Examsの時期が重なったため、忙しい日々を過ごしていましたが、周りも試験モードになっていたので、勉強に集中することができました。寒くて天気が悪い日が続く時期であるため、部屋にこもりがちになってしまいますが、あえてドロドロのグラウンドでもサッカーをしたり、友達と時間を決めてジムに行ったりして、意識的に外に出る時間をつくっていました。振り返ってみれば、春タームは、Mock Examsの期間以外は、課題提出や試験に追われることもなく、1年の中では1番落ち着いていたように思います。
夏タームはいよいよA-levelの試験でした。IB組が休み明けすぐに試験が始まるのに対して、A-level組は試験開始まで5週間ありました。春休みとその5週間の準備期間はひたすら過去問を解いていました。IB組はA-levelの試験が始まる前に終わり、続々とExams Holiday(試験が全て終わってから、卒業関連のイベントがある週までの休みのこと)に入る中、A-level組はそれに惑わされないよう、結束が強くなっていくように感じました。A-levelの試験は約1ヶ月にわたって行われ、私は数学を3つ、発展数学を4つ、物理を3つ、化学を3つの、計11の試験を受けました。試験時間を全て合わせると、ちょうど24時間に達しました。幸運なことに、私は試験日の被りがなかったため、1日1つずつこなすスケジュールでしたが、全体を通して集中力との戦いだったと思っています。読み間違いやケアレスミスが少し重なるだけで、簡単にグレードが変わってしまう世界なので、1問1問丁寧に解くことを心がけましたが、終わった今となっては、冷静に解けていたことを祈るばかりです。
ほぼほぼ毎日のようにA-levelの準備や試験がある中で、常に自分に元気をくれたのは仲間の存在でした。毎日午前11時の休憩時間に寮のソファでお茶をしたこと、ご飯の時の他愛もない会話で大笑いしたこと、それらは毎日の癒しと楽しみでした。2年間同じ屋根の下暮らしていた仲間が、皆それぞれ違う国や地域の大学、はたまた違う進路に進むことはまだ実感が湧きません。次のステージでも新たな出会いがたくさんあると思いますが、途中から転入し、右も左もわからなかった私を、温かく迎え入れてくれたFettesの友人との縁も大切にしていきたいです。
コロナウイルスの影響で留学を断念した人が多かった中、ボーディングスクールでの2年間をサポートしてくださった、財団の皆様、家族、日比谷高校とFettesの先生方、そして日本とイギリスの友人たち、全ての方々へ心から感謝し、新たなステージへ進んで参ります。