渡英から2年間が経ち、イギリスでの経験を振り返ってみると、想像以上に内容の濃い2年間だったのだと感じました。コロナウイルスの影響で、2年間丸々イギリスにいた訳ではありませんが、イギリスのパブリックスクールで得られたことは非常で多かったと思います。このレポートでは、今年3月以降の学校生活と2年間通しての自分の変化に焦点を当てていきたいと思います。
3月以降のイギリスでの生活は、非常にチャレンジングなものでした。今年はA-levelの試験が中止になったため校内での試験を数回行い、その試験結果等を基に最終的なグレードを決定する事になったと集会で聞いたのですが、不確かな情報がとても多く常に気を抜けない状況でした。
3月の時点では来学期のテストの計画も本決定しておらず、イースターに向けての勉強の計画を立てるのに苦労をしました。3月中には各教科1回ずつテストを行いました。化学、物理、数学全教科で満足行くような結果が得られたので、ひとまず安心することが出来ました。そのテストの準備期間は、勉強に集中している人、あまり勉強をしない人、全く勉強せず友達と会話をしてる人がいて、試験に対する意識は人それぞれでした。
それは、大学に進学する人も居れば、gap yearを取る人、apprenticeshipをやる人、中には進路が全く決まってない人もいたからだと思います。
イースターホリデーは、もちろん勉強が中心でしたが、ホストファミリーと過ごす最後の長期休暇を存分に楽しむことが出来ました。去年の4月はコロナウイルスの影響で日本にいたので、ホストファミリーとイギリスのイースターを満喫した事はとても貴重な経験でした。その日はホストファミリーの親戚の家族が遊びに来ていて、庭でイースターのチョコを食べながら楽しく会話をしました。その日の天気がとても爽やかだったので、最高の気分転換になりました。
Summer termが始まる前日の夜には、ホストファミリーの友人宅に行き、久しぶりのバーベキューを楽しみました。去年の8月にイギリスに戻って以来ずっと制限されていた自由が、少しずつ戻ってきつつあるように感じました。
イースター明けは、テスト漬けの日々でした。数学は第2週、第3週、第5週に1回ずつテストがあり、化学と物理は1週目から6週目まで毎週計6回のテストをそれぞれ行いました。テストが上手くいかなかった時でも、それを引きづらずにすぐ気持ちを切り替え次のテストに向けて準備するのには苦労をしました。
また、1週間のうちに3つテストがあった週は、学習計画を綿密に立て効率よく勉強するのが大変でした。各テストは1時間以上の長さであってはいけないという決まりがあったため、一つ一つの試験はそれほど神経のすり減るものではなかったのですが、この一連の試験が長期戦だったため、全ての試験が終わる頃には体力面、精神面共に疲れていました。僕は、運良く6週目の火曜日に最後の試験があったので、それ以降は勉強を忘れ、友人との残り少ない時間を楽しんだり自室で趣味を満喫したりしていました。
パブリックスクールでの生活からは少しそれますが、帰国後の隔離についても紹介したいと思います。
まずイギリスから出国する際には、コロナウイルスのテストの陰性結果が必要だったので、当日に空港のテストセンターでコロナウイルスのテストを行いました。コロナウイルスによる影響を気にしていましたが、思ったよりも空港内の店は開いており、飛行機内にも人が多かったです(機内で隣同士に座っている人は居なかったです)。日本に到着後は、コロナウイルスの再テストや日本政府が指定するアプリのインストール確認など、空港内での一連の流れを終えるのに3時間半程かかりました。(これでも結構短い方のようです。)その後、用意されているバスに乗って政府が提供するホテルにいき、3日間過ごしました。その3日間の隔離の間は、人と接することはほとんどありませんでした。3日目に再びコロナのテストを行いました。唾液のテストだったため、そのテストの際も人との関わりは検体を渡す時以外はありませんでした。そのテストが陰性だった場合自宅や宿泊施設に行き、11日間の自主隔離をする事になっています。
次に、自分自身の変化という点に焦点を当ててみると、自分の思っていた以上にこの2年間で自分が変わったのだと気づきました。
まずは、言うまでもありませんが、英語力です。日常生活で自分の英語力に悩まされることがなくなったというのももちろんですが、個人的には学習面での英語力の変化が大きいと思います。渡英したばっかりの頃は、教科書を読む、宿題をする、という行為をする度に何回も辞書を引いていました。ですが、ふと最近の自分の学習を振り返ってみると、これらの行為をする際に辞書を引くことが無くなっており、自分の英語力の成長を感じました。友人と話す時に、相手の言葉への反応の速度が速くなったのも大きな成長だと思います。2年前は、英語で聞いたことを脳内で日本語に置き換え、日本語でそれに対する返答を考えそれを英語に変換して発言するという流れで会話をしていました。しかし、今では英語で相手の発言を理解しそのまま英語で返答するということを無意識のうちに行っていました。それが、反応速度が速くなった主な理由だと思います。
英語力以外で言うと、この2年間では自主性が高くなったと思います。
イギリスには、日本と違い試験に向けての問題集がほとんどなく過去数年分の過去問しかないため、自分の弱点を見つけどのように対策を立てるのかを熟考するのに最初は苦労しました。日本にいた時は、「今日はこの問題集を10ページ終わらせる。」など明確な目標をとても立てやすかったため、イギリスの自主学習に慣れるまで時間がかかりました。
ですが、今ではそんなイギリスのやり方が自分に合っているような気がします。
この他にも、自主性を養う場面がありました。それは化学と物理の実験です。
CHでは、1人や2人で実験を行う上に自分自身で実験器具の用意や1からのレポート作りをしなければならないので、必然的に自主的に行動する機会が多くなります。渡英したばかりの頃は、レポートの作成に長い時間をかけ、それの評価も良くありませんでしたが、今では3時間以内でレポートを終わらせることが出来、その完成度に対して先生からお褒めの言葉を頂けるまでになりました。
自主性は、大学でも非常に大切な部分だと思うので、CHで自主性を高めることが出来て良かったと思います。
この2年の間にイギリスで得たことを生かし、大学ではさらに成長出来るように頑張っていきたいと思います。今後も、田崎さんはじめTazaki財団の皆さんのご期待に添えるよう精進していきます。