12月に入り、慌ただしかった秋学期もようやく終わりました。今年はパンデミックの影響で学校生活は以前とは全く違うものになっていました。キャンパス内ではマスクの着用が義務付けられ、授業後の机や椅子の消毒も欠かせません。幸い学校内や周りの人達で感染した人はいませんでしたが、類似の症状がある人が出ると検査結果が返ってくるまで濃厚接触者は全員自己隔離することになるなど、たびたび影響を受けることがありました。
英国ではワクチン接種は年末に始まりましたが、感染力が強い変異型のためかいまだ感染拡大が続いています。
学業面では今学期は今までで一番大変でした。通常の授業や宿題、テストに加え大学への出願が始まり、personal statementを先生と相談して校正したり、様々な試験を受けなければならず、常にストレスフルな数か月でした。特にケンブリッジ大学の選抜のプロセスでは筆記試験をまず受験し、それに通ったら面接に呼ばれるというシステムのため、11月にある試験の準備にかなり時間と労力をかけました。
特に小論文では経済政策や抽象的な概念について理解し、自分の考え方を述べなくてはいけないので、過去問だけではなく複数の雑誌や新聞の記事などに目を通し、様々な事象への理解を深めることに専念しました。その筆記試験後、12月の頭に面接に呼ばれました。COVID-19の影響でオンラインとなった面接ですが、そのためか質問内容は例年とかなり異なり、正直あまりいい手ごたえではありませんでしたが、面接の練習の中で心がけるようにした、自分が考えていることを言葉にして表現するということは、様々な場面で役に立っています。結果はまだわかりませんが、この期間に行ったことは自分にとって有益であったことは間違いないので、後悔はしていません。
留学中にこのような事態になるとは全くの予想外でしたが、経済への打撃に対する各国政府のレスポンスを見るうえで大変良い機会でもありました。今回はただの不景気ではなく人間の通常の経済活動が感染拡大を招き犠牲を増やしてしまうという点が問題を難しくしていると感じました。特に失業や企業の倒産対策の補助金のシステムの差異、クリスマス前後にどれだけ通常の活動を許容するのかという部分では英国内部でも対応が異なり、その効果や副作用的な結果を見ることができたのはとても貴重な経験でした。
そういう意味では学びになった期間でしたが、教育への必然的な影響は大きく、夏に行われる予定だったA-levelの試験は中止され、学校での成績をもとにgradeが与えられることになりました。年明け後も感染拡大が止まらない英国はまたロックダウンに入り、いつ学校が再開するかも不明瞭なままですが、いまできることを全力でやり、残り少ないスコットランドでの生活を充実したものにしていきたいです。
最後に、今まで常に支えてくださった先生、友達、ホストファミリー、そして何より財団の皆さまへの感謝を忘れずにこれからも頑張っていきます。これからもよろしくお願いします。