日本の大地を踏むことのないであろう2年間はきっと長いのだろうなあと思い羽田空港を離れたのが昨年の7月、気がつくともうその半分の時間が流れてしまいました。そして一年前の感慨は思いもかけない形で裏切られることになりました。というのも3月に突如コロナウイルスの影響で帰国することになり、それから夏休み期間までずっと東京で過ごしているためです。今回は1月から3月の冬のターム(とはいえ春学期と呼ばれていますが)についてと、帰国してからの生活について記録しておこうと思います。
春学期にはテスト、I E L T Sの試験、ピアノのコンサートなどが立て続けにある時期がありとても慌ただしく感じることも多くありました。しかし学校の勉強に慣れてきたこともあり、勉強、運動、ピアノ、趣味などを秋学期よりもうまく習慣を作ってバランスよく行えたような気がします。イングランドの冬はとてもきびしいと聞いて覚悟をしていたのですが思ったほどではなく、(後に聞いたところ今年は暖冬だったようです)秋と変わらず駆けているリスの姿や、ピアノコンサートのあとの夜道のひんやりとした風の心地よさが記憶に残っています。学期の間で特に楽しかったのは週に1度放課後に行われた自由参加のセミナーです。私が参加したものは古典の先生による神話や美術などの古代文化についてのもので、参加者が2人しかいなかったのですがその分濃い時間を過ごすことができました。私が住んでいるのはバースという古代ローマ時代の遺跡の残る街なのですが、古代ローマ人は支配地域を広げるときにその土地土着の神とローマ人たちの神を融合してその土地の人々に伝えることでより支配を広げやすくしていた、バースもそのような地域の1つだった、というお話を特に興味深く感じました。また、私にとって大きな出来事だったのが、地域で開催されていた学生向けのファッションデザインコンテストで賞をいただけたことです。イギリスにいて感じることの1つが持続可能性や環境への意識が高い人が多いということですが、このコンテストもいわゆる大量生産・大量廃棄のファストファッションとは逆を行くサステイナブルなファッションというのが1つのテーマとなっていました。賞に選ばれたおかげで実際にドレスを作っていただけたので、9月にイギリスに戻ったときに見られるのを楽しみにしています。
忙しかった期間が終わってほっとしていたのも束の間、コロナの影響で春学期はあと一週間を残すところで突然休校になってしまい3月中旬から日本の自宅で過ごすことになりました。せっかく英語を話すことに慣れてきていた時期に離れることになってしまい残念だったのですが、夏学期(4月から7月まで)は全ての授業の分のオンライン授業を受けることができたため学習の進み具合に関してはほとんど問題なかったように思えます。時差で夕方から授業を受け始めるという今までになかった生活スタイルになりましたが、オンラインになっても発言の機会がしっかりあるなど、生徒たちの学習機会をできる限り失わないように先生方が骨を折ってくださったのがうかがわれました。授業以外ではとにかく英語に触れる時間を長く保とうと思い、英語のポッドキャストを聞いたり英会話のレッスンを取ったりして過ごしました。
9月からはまた学校に戻る予定です。学校生活の様式も色々と変わるようで何が起こるかよくわからない点もありますが、何よりも健康に気をつけつつKingswoodでの残りの一年を有意義に過ごしていきたいと思います。