お知らせ

Fさん(女生徒)都立両国高等学校出身

一歩一歩、次の目標へ

日本を離れてから既に6ヶ月以上の月日が経ったことに安心し、同時に焦りを感じています。
振り返ると、自分の努力が実ったもの、直接的には報われなかったもの、不十分な点があったものなどがあり、この休暇はそれらを次のステップアップへと昇華させる準備期間にできたと思います。

Sherborne Internationalでの最初の2ヶ月は、生活に慣れる大変さと、学習面での自分の力なさを実感させられました。
序盤の方は、授業で何を聞かれているのかわからない、資料を読むのに人より時間がかかる、など英語力の面で悔しい思いをしました。
教科は数学、化学、物理、歴史、全員選択の演劇を取っていましたが、特に化学は専門用語の多さと日本との内容の違いの大きさを目の当たりにし、A levelでは化学を選択しないことにしました。
歴史は日本での授業のような、史実を覚えるものではなく、資料を読んで、その長所や短所を踏まえてエッセイを書くことが主でした。
2週間目には、冷戦に関するディベートを行いましたが、日本にいた時の英語ディベートの経験のおかげで良い準備をし、そこで初めて授業を楽しむことができました。
演劇は即興劇で積極性や他者の意見を受け入れることについての授業が多く、そこで発言や質問を活発にする習慣をつけることができたと思います。
他には、週2回の遠足でイングランド南部の様々な観光地を巡り、エリザベス女王がいらっしゃるタイミングでウィンザー城を訪れることもできました。

Christ’s HospitalでのA levelの教科選択をするにあたっては、Sherborne Internationalでの経験がとても役に立ったと思います。
出国前の予定から、化学を変更することにし、自分の実力と、先輩方からの情報やガーディアンのアドバイスを基に経済を選びました。
演劇や、日本でいう技術を取ることもできましたが、受験の時に有利なA levelではないらしく、歴史は暗記項目の多さとライティングなどの実力から選択候補から外れました。

Christ’s Hospitalでの生活は、サマースクールの2ヶ月と、ホストファミリーと過ごした1週間の休息期間のおかげで、かなり落ち着いて始めることができました。

数学と応用数学は、最初に教科書を見たときは少し不安でしたが、いざ授業が始まると全く新しい内容でも、理解することができ、問題も日本に比べると単純なものが多いことから、良いスタートを切れたと思います。

物理は日本で学んだことのない内容が、事前知識として早い段階で求められ、量子力学の分野は先ず、周囲に追いつくための知識を増やすことが必要でした。
わからないことがある度に先生に必ず質問をしたり、最初の方は電子辞書を使うことで何とかハーフターム前のテストには授業内容を十分に理解することができました。

経済は全く新しい教科かつ、覚える専門用語も多く、1回目のテストの前は必死に単語と定義を頭に叩き込んでいました。
理論はまだ簡単なものが多いので、授業内容に困ることはありませんが、その理論を使ってFinancial Timesなどの記事を説明することもあり、通常の勉強と、リアルタイムで起きていることを常に把握していることが求められます。
また、日本について聞かれることも多く、日本にいたときは家で常にテレビのニュースを見て、インターネットで深く内容を理解することもできましたが、今はBBCなどの記事を読むなど、能動的に行動しないと情報が自分の元に入ってこないため、文章を読む機会は格段に増えたと思います。

授業ではよく、BBC iPlayerやYouTube、TEDなどにアップロードされている動画を見ることがあり、発展的な内容について説明しているものや、その教科に関係する学位などについてなど、授業内容を理解するために、というよりも、生徒の興味を引き出すという目的で映像が使われることが多いです。

私の寮は4つずつ東西に延びている内の東端にあり、学校の中心まで徒歩で5分以上かかるので、自転車を購入しました。
寮によりますが、当番制がある寮もあり、私は月に二回程度、朝晩の点呼、マーチングでの掛け声、就寝チェックをしています。
週に二回、水曜日と日曜日はIn House Nightとなっていて、ハーフターム前は、House Songという寮対抗の合唱コンの練習をし、ハーフターム後は水曜日にWomen’s Groupで女性に関わる問題を話し合い、日曜日は同級生とイベントを計画して寮全体で一緒に楽しむ時間を作っています。
House Songでは、寮一丸となって努力した結果が身を結び、女子寮部門で優勝することができました。
寮は学年関係なく和気藹々としていますし、最初の頃は下級生からも色々な面で助けてもらうことができました。

寮の同級生とは今でも夕食の際、ダイニングホールに毎日一緒に行っていて、そこでたくさんの人と知り合うことができました。
選択教科の関係で、どうしても授業で同じクラスになる人数が少なくなってしまうので、チームスポーツやその他のアクティビティで友達を作るのもいいと思います。
授業中に積極的に発言をすることも、周りに名前を覚えてもらえるきっかけになりますし、わからないことがあったときに近い席の子に聞くことも、そこから仲良くなれることがあるので、勉強に向ける姿勢はポジティブに保つと、成績以外でもいいことがあります。
また、電子辞書はやはり物珍しいようで、そのような意外なことからも会話は広がりますし、特に男子は日本のアニメを見ている人がたくさんいるので、日本について、伝統文化や社会的な面を知っておくこともとても重要ですが、ポップカルチャーのことも話せるようにすると、さらに多くの人と知り合うことができます。

アクティビティは、サッカーをする予定でしたが、女子サッカーはどうやら夏学期のみらしいので、今はコンピューターコーディングやエアロビなどをしています。
来学期からはIELTSとOxbridge対策のアクティビティも始まるので、より本格的に大学受験に向けて準備したいと思います。

今年の冬は例年より暖かいらしく、出国前は身構えていたものの、かなり快適に過ごしています。
イギリスでの初めてのクリスマスは寮の友達とシークレットサンタをしたり、ターム最終日前夜に、下級生の部屋にこっそりプレゼントを置きに行ったりと、楽しいことにあふれ、休暇中もホストファミリーと充実した時間を過ごすことができました。