お知らせ

都立日比谷高等学校 Tさん(女生徒)

パブリックスクールを6月に卒業し、10月からはいよいよ大学が始まります。2年前、私は何事にも失敗を恐れずにチャレンジするという目標を掲げ、渡英しました。振り返ると目標通り、たくさんのことに挑戦してきました。もちろん失敗やうまくいかないこともありましたが、だからこそ大きく成長し、ここまで進んでこられたと思います。
この2年間、主に力を注いできたのは、法学ソサエティーのリーダーをしたことです。毎回ディベートの題を探し、プレゼンテーションを準備するだけでなく、同級生や後輩の意見も聞きながらディスカッションを進めていくという役割は、大変チャレンジングでした。しかし、そういった試行錯誤をしたからこそ新しいスキルや強みを得られたと思います。またピアノでは学外のコンクールで優勝し、コンサートにもほぼ毎回出演させていただき、自分の強みを最大限生かすことができました。卒業時に、法学賞と音楽の学校賞をいただき、これまでの努力の集大成として、大きな達成感が味わえました。

学校生活における日本と英国の一番の違いは、生徒の積極性だと感じています。受動的な日本の教育に比べ、生徒自らが質問や関心事項を述べて授業を動かしていく英国の形式は大変印象的でした。また授業に限らず、イベントや課外活動、例えば、今年6月のBlack Lives Matterの運動を受けて、オンライン・ディスカッションフォーラムを立ち上げるなど生徒の積極的な姿勢に大変刺激されました。渡英した当初は、この日本との違いに戸惑い、議論に参加することが難しかったのですが、日常的に友人たちとも意見を交換するようになり、次第に躊躇する気持ちがなくなり、積極的に参加できるようになったと思います。このような刺激のある環境の中で、学ぶことができたのは、大変貴重な経験でした。日本にいたならば、決して感じることができなかっただろう興奮と刺激に溢れる毎日を過ごすことができました。

以前より私は、将来は世界に貢献できる人間になりたいと思っていました。2年間の英国での貴重な体験や生活を通して、視野が更に広がり、ますますその思いが強くなりました。コロナ後の不安定な世界情勢を巡って様々な意見がぶつかり合う中、日本がどのように世界に貢献できるのかを考え続け、私自身が将来その過程に加わりたいと強く思っています。そのためにまずは社会の基礎であり、人権の保護と公正・正義を実現するための直接的なツールである法の理解を大学で深めていきたいです。
最後に、この2年間本当にたくさんの方々に支えられてきたことを実感しています。先生方や友人たち、ホストファミリーとガーディアンの皆様、家族のサポートと応援のおかげで自分らしく楽しみながら留学生活を送ることができました。そして、この貴重な機会を支援してくださった田崎さんをはじめとする財団の皆様に、改めて心より感謝申し上げます。