このtermの初めに先生方からGrecians(Year13)のMichaelmas termはこの二年間の中で最も忙しく、ストレスフルなtermだと喝を入れられていました。実際に終えてから改めて振り返ってみると、本当に何かに追われるかのように過ぎてゆく毎日でした。Final prediction, personal statement, teacher’s reference, university choices, interview practice… その中でも一番苦労したのはpersonal statement です。これは大学への手紙のようなもので、自らの良さや長所、その学部に進学したい理由、なぜその学問への強い興味を持ったかなど、自分の個性を強く前面に打ち出す必要があります。しかし、これが日本人であるがゆえなのか、長所や個性、ましてや、なぜ大学が他の生徒ではなく私を選ぶということに高い価値があるのかという質問に、なぜだろうと思うばかりでなかなか手が進みませんでした。多くの日本人は謙虚さを文化的な背景から非常に重要視していますが、それが少なからず自らの強みを認識するのに歯止めをかけているような気がします。もちろん謙虚であることは人付き合いのうえでとても大切な要素ですが、自分の長所や短所、人にない強みを深く知ることも自分の将来を切り開く為に欠かせないことだと思います。このpersonal statementとinterviewは英国が学力だけではなく、人としての可能性や適応性、対人スキルを重要視している証拠だと思います。
私は先輩や先生方のアドバイスをもとに、夏休みからpersonal statementを開始しました。まず、学校で教わった構成に沿って、書くべき内容を箇条書きで書き出し始め、1度目の下書きを終えました。その下書きを何度か手直しして、自分も納得した時、host familyに客観的な意見を聞く為に読んで頂きました。ありがたいことに、host familyは是非役に立ちたいと私のpersonal statementに全面的に協力してくださりました。その頃私は、自分でもかなり上手くいっただろうと過剰な自信を持っていたので、host familyから「これはあなたらしさがあまり出ていないし、ちょっと読んでいて目に止まらなそう。もう少し何をあなたから伝えたいのか練ってみたら。次の下書きも見せてね。」とコメントを頂いた時は少しショックでした。しかし、彼らはこのような文章を書く経験が仕事柄豊富なうえに、私のためを本当に心から想ってくださっていることを知っていたので、もう一度何も見ずに自分の伝えたいことを日本語で真っ直ぐ紙にぶつけて書きました。自分が英国で学びたいと思った初心に戻って、Biochemistryをこれから学ぶことへの熱意、私という人物像、今までの道のりと将来への抱負を書き出しました。その後も引き続き、host family 、先生方、そして友達からのアドバイスをもとに10回以上書き直しました。もちろんpersonal statementですから、私らしさが滲み出た4000 characters ですが、沢山の方々との試行錯誤の結晶でもありました。
Michaelmas termは負担や不安を大きく感じることの多かった学期でもありましたが、多くの友達と支え合い、この一年半で築き上げた友情が確かなものであったことを認識することができた良い機会でもありました。Lent term は本格的に受験モードに入ることになりますが、友達と切磋琢磨し、自らの目標を必ず達成できるようにコツコツ努力していきたいと思っています。