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【Kingswood School】 Wさん(女生徒・国立東京学芸大学附属高等学校出身)
 

渡英から2年間が経ち、大学入学が目前に迫ってきました。今回の報告書では、パブリックスクールでの約2年間の生活についてまとめたいと思います。

まずは、常に生活の中心にあった勉強についてです。
Sixth Formでは、A Levelの試験を受けるための準備期間として、忠実にカリキュラムに沿った授業が展開されます。また、授業態度や宿題の提出状況、授業の出席状況は大学入試にほぼ影響しないことから、生徒としてはA Levelの試験に向かって2年間ゆっくりと受験勉強を続けるような感覚になります。
このような制度は当たり前のようにパブリックスクールの寮生活ととても相性が良く、勉学に励むには最適の環境が整えられているのです。決まった時間に三食を食堂で食べたり、平日は22:30に消灯だったり、放課後には宿題の時間が設けられていたりと、規律はあれど、一方で、休み時間や休日、ほぼ宿題の出ない長い休暇といった自由もあります。これらの時間の区切りは誰かに決められたものですが、その枠の中で自分に合ったワークライフバランスを探っていく過程が、勉強に対するモチベーションを維持することに繋がっていたのだと今は思います。イギリスでは、「受験生だから」という理由で何かを我慢する意識は日本ほど強くないような印象も受けました。例えば、入試の2ヶ月前に海外旅行をしている友達がいたり、所属していた校内のジャズオーケストラは野外コンサートを入試3日前に開催していたりと、一見不真面目に思えるようなことも、イギリスの雰囲気を感じた結果抵抗なく受け入れられるようになりました。夜遅くまで勉強していると、友達に「こんなに遅くまでやっている人は他にいない。どれだけ非効率なやり方をしているのか」と取られてしまう、興味深い価値観の違いにも触れられました。私は、勉強量は変えずに質を高め、余った時間を睡眠や趣味に費やすようにしたことで、両方とも自分なりに一生懸命取り組むことにつなげられていたと思います。
このような違いを理解する面において、イギリス人のルームメイトを持てたことはとても幸運だったと思います。本を読んだり話を聞いたりするだけではわからない、同じ部屋で自分自身も呼吸してやっとわかる空気感や考え方が、徐々に自分のものとなっていく感覚はとても刺激的でした。

次に、親元を離れて異国の地で様々な体験をしていく中で、最も大切だと感じた力、忍耐力についてです。
客観的に自分の現在地を見定め、目標達成に不足していることを考える、という過程を緻密に繰り返していく力が、忍耐力なのではないかと私は思います。2年間のパブリックスクール生活において、自分の力不足を痛感することがとても多かった分、自分で自分の粗探しをするようなこの作業は大きなもどかしさを伴うものでした。それでも、毎週目標を設定したり、誰かに相談したりしながら、できない自分を受け入れて努力した経験は、私自身の強みになったと思います。

このように、様々な価値観に触れながら、目標に向かっていく2年間は、同じような日が一日も無い、とても学びの多い濃厚なものでした。徐々に色々な価値観を受け入れて視野が広がってきた今、次の目標は、多様性の豊かなコミュニティーにおいて自分の役割を見つけ、人と人とを繋げられるようなバランス感覚を持った人になることです。これから大学生としての時間が始まりますが、新生活への期待に胸を膨らませながら、自分らしく貪欲な向上心を持って過ごしていきたいと思います。

このような環境で学べることに感謝し、今後も精一杯勉学に励みたいと思います。