パブリックスクールを終了して
約2年間のパブリックスクールでの学習と大学受験を終えたいま、私は改めて3つの成長を自分の中に感じています。1つ目は自分を肯定する力、2つ目は"違い"を認める力、そして3つ目は新しいものを吸収する力です。
様々な国籍の友人と過ごした寮生活はとても刺激的で、新しい価値観や生活習慣に触れながらの毎日は紛れもなく大切な楽しい思い出になりました。
しかし、時には自分の中の常識を否定されることもあり最初はその一つ一つの言葉に傷ついたり、周りの行動に合わせようと無理をしていた時期もとても長かったです。睡眠時間、食生活、勉強のスタイルなど多くのタイミングで人との違いを痛感し、時に自分のやり方を否定される生活は大きなストレスでした。
その生活の中である時気がついたのは、周りと同じになろうとする努力は何の利益も生まないということです。逆にいえば、自分らしい生き方を肯定することが勉強面でも精神面においても自分の支えになると感じました。周りに流されず、好きなものに触れて嫌いなものからは離れ、やらなくてはならないことに時間を注ぐという確固たる芯を肯定することで、自分自身のメンタル面の安定はもちろん、好きなだけ努力した分必ず結果が返ってくるという喜びもありました。
また、人から否定される辛さを感じて気づいたのは、自分と違う意見を「おかしい」「変」という言葉を使って評価してしまう事の危うさです。例えば、3日に1回しかお風呂に入らないという友人の話を聞いた時、「絶対にお風呂は毎日入るべきだし、髪を洗わないなんておかしい」と思っていました。しかし、相手の立場からすると毎日髪の毛を洗っている私は水を無駄遣いしているのかもしれないし、髪を逆に痛めているのかもしれません。そう考えると、自分と違うというだけで「おかしい」というレッテルを貼るのはとても自己中心的な考えだし視野が狭い発言です。価値観の違いはもちろん違いとしてありますが、理解する事ができなくても、そこで否定せずに認めるという選択肢を選ぶことは誰にでもできることです。
自分が傷ついたことを無意識に人にしているかもしれない危うさを忘れず、人を認めるという力をこれからも伸ばしていきたいと思います。
学習面では多くの挫折や苦労がありましたが、英語がまともに話せない状態から授業を受け、テスト勉強をして友達を作っていったという経験は自分に大きな自信を与えてくれました。その中で得た吸収力はこれからの大学での勉強はもちろん、社会に出てからも必ず役に立つものだと思います。新しいものを否定せずに受け入れ、良い部分を自分に取り入れていく姿勢や、今までの常識にとらわれず全く違うものを違うものとして学んでいく力を使い、大学の4年間も最大限に生かしたいです。
これから先が、イギリスで勉強する意味をより感じる重要な時期になると思うので、この貴重な機会を与えてくださっている財団の皆様や両親、支えてくださる皆様への感謝を忘れずに日々過ごしていきたいと思います。2年間本当にありがとうございました。そしてこれからの大学生活もよろしくお願いいたします。