お知らせ

Eさん(University of Cambridge , Mathematics / Chirist's Hospital出身)

日本での3ヶ月の長い夏休みはあっという間に終わり、待ちに待った大学生活が始まりました。そこまで行く過程で、様々な書類にサインしたりVisaを取ったりと煩雑な作業を今度は自分でやらなくてはならず、パブリックスクール入学時に財団が代わってくださったことの大きさを感じました。

 授業は月曜から土曜日の朝10時から12時まで行われており、それぞれ1時間ずつです。今までよりずっと少ない授業数と時間になり、他に拘束時間は2週間に4回ある1時間のsupervisionだけなので、見かけとしては人生で1番暇だともいえます。しかし、講義時間が短い分授業速度もとても速くなるので、lecture recordingを見て聞き漏らしを埋める、途中から板書に徹するしかなくなった部分を理解するという作業が必要になっています。周りの反応を見ると元からその範囲の内容を知っているというような人も見かけるのでその人たちには必要ないのでしょうが、私は特に予習できず大学生活が始まったのでついて行くのに必死になっています。パブリックスクールの数学では比較的余裕があったのでついて行くのに必死になるというのは実に2年ぶりでとても楽しいです。また自分での復習だけではなく、supervisionに向けてexample sheetと呼ばれる問題集合(12〜15問程度)を解く必要があります。授業で習ったこと以外に必要な知識はありませんが、内容の解釈が正しくないとそもそも問題が何を言っているのかわからないということも多く、かなり時間がかかってしまいます。本当にわからない時は友人と相談したり、わかっている子にヒントをもらったりしながら進めています。これらの問題を解いたら期日までにsupervisorに提出して丸つけをしてもらい、supervisionの際に返却されながら問題について話します。主に問題の解説をしてもらい、時々派生事項について学びます。1時間という時間はとても短く、ベテランの先生がかなり手際よくやってようやく収まるという感じです。派生事項についての解説が多い先生、博士課程在籍の先生など他のsupervisorでは1時間半ほどに伸びたり、次のスロットの人と途中合同でやるということが頻繁に起こります。私はそもそも授業をきちんと理解しきれていないことも多いので有り難いです。

 私は冬にPoolされてNewnham Collageという女子カレッジに入ったのですが女子だけというのは自分にとっては新鮮で面白いです。今まであまり女子のコミュニティーに属せずに来た私ですが、今は週末一緒にご飯を作ったり食べに行ったりする友人ができました。今まで関わったことのない国からの留学生とも仲良くなれたので、また一つ自分の見える世界が広がったと思います。それぞれ授業等忙しいのでいつも一緒というわけではないのも気楽で良いです。日本人や日本人ハーフの子とも主にAnglo Japanese societyを通して仲良くなれたため、一緒に日本食を作って食べることも多く、充実した生活を送れています。

 Societyでは今まで挑戦したことのないスポーツを始めました。元々スポーツは簡単な習い事でいくつかやったことある程度だったので動きまくることに慣れてはいませんが、楽しく活動できています。Ultimate Frisbeeは中学の体育の授業でやってからずっとやりたいと思っていた競技で、遂に大学で始めることができました。Cambridgeでは市民チーム、男女混合のトップチーム、男女それぞれ2チームずつ、複数collegeで構成された学内対抗のチームなど幅広く活動が行われています。私は女子の下のチームに所属しており、初めて試合にも出場しました。ロンドンのいくつかの大学とOxford, Oxford brookesから集まったチームで試合を行いましたがチームのほぼ全員がこの秋から始めた人たちだったこともあり全敗でした。ロンドンまでの遠征はいい経験にもなったのでこれからも続けていきたいです。もう一つ始めたスポーツはRowingです。Cambridgeならではのスポーツとも言えるのではないかと思います。Collegeごとに数チーム存在し、College対抗の大会も開かれますし、大学のチームはOxfordとの対抗戦も行うようです。私はCollegeの8人乗りボートに参加しています。この学期の最後にようやく8人で同時に漕げるようになりました。というのも8人で漕ぐと誰もボートを安定させる人がいないので全員がある程度漕げるようにならないと8人漕ぎはできないので、今までは2人ずつなど少人数で練習してきました。最後に8人で漕げた時は達成感もありましたが、それよりもペースを乱さないように、体勢を崩さないようにと必死で漕いでいました。気づくと今までにはないスピードでボートが進んでいてとても爽快感がありました。トレーニングなどにも参加する必要があり、運動部に所属したことのない自分にはかなりキツイですがこれからも参加していけたらと思います。

 大学のBrass Bandはそこまでレベルが高くなかったのでpublic school最後の3ヶ月で始めたトロンボーンで参加しました。バンド内に数字科の2年生がおり、話を聞くことができるので交流という観点でも入ってよかったです。しかし、課題に追われて半分くらいしか練習に行けなかったのでもっと時間を作れるようにしたいと思っています。また、concert bandにも所属しています。こちらは大学生ばかりというわけではなく、主体は大学生だが年齢の高い近くに住んでいる方も参加しているといった感じで、実際周りのトロンボーンパートが大人の男性が多く、寮と全く違う種類の人と関われていて、新鮮です。今学期はなんとかコンサートにも初参加しました。今まで続けてきたパーカッションはCity of Cambridge Brass Bandで演奏しています。様々な年代の人が集まっているなか、パーカッションパートはたまたま私以外は15歳と17歳という若いメンバーで構成されていて、少しふざけてアレンジを入れるなど楽しく活動しています。2人とも音楽の道に進むようなので長くはこのバンドにいないと思いますが、彼らから学べることは多いので楽しみながらもパーカッションの技術も向上させていきたいです。

 理事長ご夫妻とのPrivate lunchの際に将来の目標を開かれましたが、正直決まっておらず困りました。その時は漠然と考えていたことを書いたのですが、キャリアフォーラムの説明会に参加したこともあり、改めて考えてみようと思いました。まず大学での勉強について、どの分野より数学を学んでいて楽しいと思えるので、数学科を選択したのでことは間違っていなかったと感じています。しかし、その先のことはまだ考えられていないまま入学したのでどこへ向かっていくべきか決めかねています。数学を用いて何ができるかを考えると主にはコンピューター等を用いた統計学的な使い方になるのだと思いますが、A-levelを通して統計は自分の専門になる分野ではないと感じもします。どちらかといえばPlane Mathsの方が好きで得意なので今のところはそういう授業を今後取っていこうとは思っています。ただ、subject dinnerで一緒になったPhDの人にpureが好きだったけど大学ではProbabilityが好きになって研究しているからそういうことも結構あるよと言われたので今後講義を受けつつ進路について考えたいというところに今は落ち着いています。