お知らせ

Tさん(Durham University, Law / Fettes College出身)

大学一年目と夏休みを終え、9月からはまた新たに2年目が始まります。制限がすべておりたイギリスでは日常が戻り、町もさらに活気づいています。

一年を終え、イギリスの大学の最大の魅力はカレッジ制度にあると思います。特に私が属しているCastleは世界遺産のダラム城を拠点とする最も歴史の古いカレッジです。11世紀に建てられたお城のダイニングホールで毎日食事をしたり勉強ができたのはイギリスならではの貴重な体験だったと思います。
また、フォーマルと呼ばれるディナーのイベントではガウンを着て、ラテン語の祈りを唱え、絶対に左手でワイングラスを持たなければならないなどといった古くから伝わるしきたりを守らなければならず、とても興味深く楽しめました。今年は、去年コロナ禍で行われなかったカレッジボールなどの大きなイベントを特に楽しみにしています。

さらに、サークルやクラブもとても充実しています。私はボート部、バドミントン部、模擬裁判やピアノのサークルにも入り、様々な人と交流できる良い機会になっています。ピアノでは、大学から4人の代表に選ばれ、来月ロンドンのスタンウェイホールでのマスタークラスに出演させていただくことにもなりました。

勉強面で一番楽しんだのは憲法です。徐々に立憲政治を実現させたイギリスは日本の文章化された成文憲法とは異なる、判例法や憲法習法などの寄せ集めからなる不文憲法を持っています。常に変化し続ける社会情勢を反映しやすい柔軟性がある反面、政府による権力行使を抑えにくいなどといった問題もあり、日本憲法を知る私にとっては非常に興味深い科目でした。
まずそもそもイギリスに憲法はあるのかといった根本的な質問から始まり、Brexitがイギリス憲法にどのような影響や変化をもたらしたのかなどといった時事的な事まで詳しく学びました。最新の法律改正や締結された条約をしっかり把握することで、学期末の試験では学部一位を取ることができました。

今年は、さらに専門的な労働法や信託法などに加えて、「法律と科学」という安楽死、避妊、遺伝子組み換えといった物議をかもすトピックについて学ぶ授業も取りました。実際にホールでレクチャーを受けるのは初めてなのでとても楽しみです。

今年は寮から出て友人6人とシェアハウスも始めました。コロナ禍とは全く違う、さらに充実した大学生活が送れそうです。今年もこの機会を与えサポートしてくださる田崎さん、財団の方々、家族と友人への感謝を忘れず、努力を継続しさらに精進したいです。