お知らせ

Tさん(Durham University, Law / Fettes College出身)

コロナ禍で不安が広がる厳しい状況の中、9月に無事渡英し、法学部での大学生活が始まりました。

残念ながら講義はすべてオンラインでしたが、内容はすべてとても興味深く、楽しみながら取り組むことができました。法学部の一年生は憲法、契約法、不法行為などからEU法まで幅広い必須教科を6つ学びます。イギリスは、日本の制定法主義とは違い、コモン・ローと呼ばれる慣例法主義をとっています。よって、確立された法律の適用を考えるのではなく、判決の理由やその適用範囲の分析をすることが必要とされ、法へのアプローチが全く異なってきます。

法律は日常生活から経済、政治、国際関係など全ての分野の土台といえます。従って法学は法律だけでなくイギリスの歴史、文化、そして社会を理解するために有用で奥が深いと感じています。また、EU法の勉強を通じて、常に論争の対象となっているBrexitや関連する国際情勢をよりよく理解することができます。授業前には、文献を毎回100ページ程度読む必要があり、それを理解した上で、授業中に適切に発言できるよう備えなければなりません。

講義に加えて週に2回程度、少人数でディスカッションを行うセミナーがあります。これは、生徒中心で進められる形式で、自分の意見や論点を明確に伝えることが常に求められ、大変刺激的です。また、契約法の模擬裁判にも参加しました。裁判特有の議論の仕方やフレーズを覚えたり、勉強した判例や論理をいかに弁護人が有利になるように使うかを考えるのは大変新鮮で良い経験でした。

現在、大学のカレッジ寮に住んでいます。カレッジでは、ハウスホールドという20人程度のグループで、食事を含め日常の生活を共にしています。コロナ禍でサークルやイベントなどの活動は制限されていますが、友人達に恵まれ、カレッジ生活は大変充実しています。多様なバックグラウンドや価値観を持つ学生達と生活を共にしながら交流できることで留学が更に有意義なものになっていると感じます。

これからも今いる環境で最大限努力を重ね、毎日を大切にしていきたいと思います。この素晴らしい環境を支援してくださる財団の皆様には心より感謝申し上げます。