お知らせ

Nさん(女生徒)都立西高等学校出身

今年のAutumn termは、今までで最も忙しい学期となりました。ロックダウンと夏休みが続いて、半年ぶりに学校に戻ることができたときは、とても嬉しかった半面、不安もありました。特に変わったと感じた点は、チャペルがなくなったこと、マスクの着用が必須になったこと、一方通行が導入されたことなどです。最初は少し違和感をおぼえていましたが、一週間もしないうちに慣れました。
しかし、一つだけどうしても慣れなかったことがあります。周りの人に近づかないように注意しなければならないことです。廊下や階段で人とすれ違った時など、他学年の人とは距離を置かなければならないというルールがあったのでそれを守ろうとすることが、今までは全く意識してこなかったためか、とても大変でした。
また、細かいことですが、例えば誰かが物を床に落っことしてしまったときに、今までなら反射的に拾ってしまってすぐ持ち主の方に返していたのですが、このパンデミックが始まってから、人の物に触れることで相手を危険にさらしてしまうという考え方が広まったので、自分が今まで良しとしていた行動を振り返って、場合によっては改める必要性が出てきました。

今回は、学業面のお話を少しさせていただきます。まず、Fettes Collegeでは、毎週水曜日の放課後に、Academic Priorityという、わからない内容や問題を持って行って先生方に質問ができるセッションがあります。私はこの時間が、一週間の中で一番大好きで、昨年度から毎週教わっている先生方のところをはしごしていました。わからない問題を持って行ったときはもちろんですが、他にも例えば科学誌で読んで面白いなと思った内容についてディスカッションをしたい場合も相手になってくださいました。
また、毎週月曜日に、化学の先生と下級生三人と私で化学のディスカッションをするChemistry Convoというアクティビティーに参加しました。これは、Chemistry Reviewという雑誌の中から毎週決められた記事を読み、質問や考えたこと、調べたことなどを話し合っていくというものでした。A-levelの内容を二つ年下の下級生たちになるべくわかりやすく説明する機会にも多く遭遇し、自分自身もとても勉強になりました。また、今学期は微分積分を使う物理の問題を解くことにハマってしまったため、Isaac Physicsというサイトの問題にたくさん挑戦することがとても楽しかったです。

大学入試の出願に関してですが、9月に学校に戻ってすぐに、自己推薦文をメンターの先生(ほとんどの場合は自分の出願したい学部に関連する科目の先生)に提出しました。先生が添削してくださるのですが、先生方も忙しくなかなか返ってこない場合もあるので、時間に余裕を持つという点で、なるべく早いうちにある程度の内容を決めておき、学校に戻ったらすぐに提出できる状態にすることをお勧めします。他には11月の頭に、筆記のテストを受けました。
そして12月中旬に面接試験がありました。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のためzoomでのインタビューだったのですが、開始20分前にログインしたら、カメラが動かないことに気づき、(昨日最終確認をした際には動いていたので、とても残念でした、、)ITの先生などを総動員したものの直すのに30分かかってしまいました。結局10分遅れて面接を開始することになりました。このようにテクノロジー関係で遅れることは他にも何度かあったみたいで、それに備えて一人一人の時間のスロットを長くとっているらしく、大丈夫だよと言われたのですが、少し動揺してしまいました。
しかし、気を取り直して最初に出された化学の問題に対する自分の思考プロセスを説明していたら、急にzoomがつながらなくなってしまって、もう一度つながるまでに5分ほど待ったのですがそれでもつながらず、面接が始まったら終わるまで部屋から出ていけないというルールがあったのにも関わらず、思わずITの先生のところに助けを求めに行ってしまいました。そこでまたITの先生とともに原因がわからないままなんとかもう一度ログインするまでにさらに10分ほどかかってしまい、もう一度つながったころには面接官の方々が非常に機嫌を悪くされてしまっていて、さらに動揺してしまいました。
その後に化学と物理と数学の問題が数問続いたのですが、ところどころで呼吸が荒くなってしまい、とにかく落ち着け自分、と言い聞かせてなんとか乗り切りました。正直、平常運転の自分ならもっと答えられたと思うのですが、二回目のITトラブルの後の雰囲気の悪さと申し訳なさに耐えられるほどのメンタルの強さを私は持っていなかったようで、とても反省しています。最後に、質問はありますかと聞かれたので、面接官の教授さんがたまたま私が興味のある研究をされていたためそれについて質問しようとしたら途中で切られてしまいました。
(私の質問は、I have read about your research on biosensors, and I thought that it was very interesting because I read an article on the application of biosensors for precision farming. In your opinion, what is the most exciting area of application of biosensors?みたいなことを言いたかったのですが、I have read about your research on biosensors,と言った瞬間に、話をさえぎられてしまいbiosensorsはengineeringの範囲でnatural sciencesの範囲ではないからあなたはできないからと言われ、時間がないから早くしてくれみたいに怒られてしまいました。私は純粋に興味があって聞こうとしただけだったのですが、タイミング悪くさえぎられてしまったことでまるで私がNatural Sciencesのカリキュラムをきちんと把握していないがゆえにbiosensorsを学べると勘違いしているる愚かな人のように思われてしまった可能性が高いです。一応、最後まで笑顔のまま色々問題の思考プロセスを話し続けたのですが、面接が終わった瞬間に大号泣してしまい、その後色々と大変でした。

Wifiに関してですが、ITのスタッフの方々が話し合ってくださり、一番通信環境の良い部屋を選んでくださっていて、何回か学校でzoom面接の練習をしていたときは問題がなかったので、今日に限ってこんなことになってしまったのが本当に信じられません。

今までこの入試に向けて、去年イギリスに来た時から手を抜かずに勉強してきたので、このような形で終わってしまい本当に悔しくて仕方がありません。模擬面接も何回か体験したのですが、毎回楽しくて仕方がなかったのにも関わらず本番の面接後にはトラウマのような状態になってしまったので、時間をかけて立ち直りたいと思います。

前回の内容と重複しますが、今後生きていくにはadaptする能力を身に着ける必要があるということを改めて痛感しました。例えば、zoomで大学入試の面接をするなど、今までは特別な事情がない限りあり得なかったことだと思います。オンラインレッスンもそうです。そのような変化に対して、今まではこうだったのに急に変わったからすぐには適応できないというようでは今後はやっていけないと感じました。
このウイルスとの戦いは長期戦になるのだろうと予想できる中、おそらく今までは考えられなかったような変化に遭遇することは今後もたくさんあると思います。その状況下で文句を言わず適応する努力をすることが求められるでしょうし、今はその力を育む上でとても良い経験ができていると思っています。

この状況下で留学を続けられている背景には、たくさんの方々の支えがあります。改めて、感謝申し上げます。引き続きよろしくお願いいたします。