お知らせ

Nさん(女生徒)都立西高等学校出身

日本を出発して、早くも14か月が経ちました。この一年と数か月は、自分でも驚くほどのスピードで過ぎ去っていきました。それだけ充実したものだったと私は確信しています。

今回は、ロックダウン期間中のイギリスでの生活と、夏休みに焦点をあててお話ししたいと思います。

3月中旬、ちょうどイースター休みに入る直前、新型コロナウイルスのため学校を閉鎖するとの発表がありました。私はあまりにも急な知らせと、全く先の見えない状況に動揺を隠せませんでした。しかし、ホストファミリーをはじめとしたたくさんの方々の支えのおかげで、明るい気持ちで約5か月を過ごすことができました。

学校の授業はオンライン上で行われました。色々な国に生徒がいるため時差を考慮してか、課題提出が中心で、たまにMicrosoft Teamsでライブ授業という形式がとられました。ここまで長い期間物理的に学校に行かずに自学自習を続けるということは今までにありませんでしたが、自主自律が求められる面白い機会となり、逆に大事なスキルを鍛えられたと思います。

イギリスでのロックダウンは、かなり規制が厳しかったように感じました。最初の方は、1日1回までのエクササイズと、生活必需品の買い出し以外の不要不急の外出、また他の世帯の人と会うことも基本的に禁止されていました。そのため私はホストファミリーと犬の散歩に行く以外は一切外出しませんでした。お店やレストラン、美容院など、何もかもが閉まっていて、とても不思議な感覚でした。私がお世話になったホストファミリーは、社交的で明るいファミリーなので、お友達や離れたところに住んでいる家族とzoomでクイズパーティーなどを開いていました。3月末から始まったロックダウンでしたが、お店やレストランなどが開き始めたのは、7月中旬頃でした。規制が緩くなり始めてから、久しぶりにショッピングに行ったり、外食をしたり、他の世帯の人と会ったとき、今までは当たり前にしていたことにもかかわらず、それらができないという状況に慣れてしまったためか、とんでもない違和感に襲われました。このような感覚は今までに味わったことがなく、非常に印象深かったです。

夏休みは、本来ならば色々な大学のオープンデーに行ったり、サマースクールに参加したり、職場体験をして過ごす予定でしたが、もちろん全てキャンセル、もしくはオンライン開催となってしまいました。私は、職場体験を受け付けてくれる研究室や、実際に大学の実験室で化学の講義とlabworkを体験できるサマースクールなど、夏休みに備えて参加したいイベントややりたいことを調べて応募し、みっちりと計画を立てていたので、それらができなくなったと思うと悔しくてたまりませんでした。しかし、悔やんでも仕方がないので、すぐに気持ちを切り替えて、この状況下でできることを探し、オンラインで開催されている物理と数学の発展的な内容にチャレンジするサマースクールと、化学のプロジェクトを数週間かけて完成させるイベントに参加しました。Zoomでの授業は、やはり対面と比べると色々難点があるとはいえ、とても楽しかったです。特に物理と数学の講座は、講義を受けた後グループに分かれてそのトピックにまつわる問題を解いていくというもので、毎回終わった後は、今日はこれ以上何かをすると脳みそが壊れるのではないか、というくらい頭を使いました。

この数か月の間に学んだこと、身に付けたことは主に3つあります。1つ目は、勉強以外の内容での英会話に対する自信です。ホストファミリーと長い間過ごせたことが1番大きい理由ですが、ロックダウン規制が緩くなってきてから、ホストファミリーのお友達ともお話しする機会が増えて、テンポの速い会話に参加することができるようになりました。学校にいたころは、周りの話している内容はわかるけど何もつけ足せない、面白いことが言えない、という状況でしたが、今では会話に参加するということが逆にとても楽しくなりました。

2つ目は、イギリス、特にスコットランドの文化です。例えば、ファミリーみんなで有名な洋画をたくさん見たり、イギリスの定番料理の作り方を教えてもらったりしました。他には、ゴルフを習い始めて、近くのゴルフ場での9ホールにも挑戦しました。逆に私は、日本食を作ったり、折り紙の作品をプレゼントしたりして、受け取るだけではなく発信するということを心がけました。
3つ目は、メンタルの強さです。このパンデミックの中、イギリスで生活したという経験は、私にとってかけがえのない財産になりました。私が留学を通して得たいものは、勉強だけではなく、人として強くなることも大きな目的の1つだったので、この機会が自分に与えられたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

さて、来学期は私の学年の人たちとっては特に大変な時期となります。それに加えて、久しぶりに学校に戻るという違和感、感染拡大を抑えるための厳しい校内ルールもあるので、さらに難しい期間となるはずです。そんなときこそ、“adapt”と“accept”を念頭に入れて頑張っていきたいです。

改めて、私を支えてくださっている皆様に感謝申し上げます。引き続き、よろしくお願いいたします。この状況が早く終息することを心から祈っています。