お知らせ

都立日比谷高等学校 Tさん(女生徒)

日本を出発してから早いもので一年がたちました。6月下旬にL6が終わり、イギリスに来て初めての夏休みを迎え、まもなくU6最高学年に進級し新学期が始まろうとしています。今年のエジンバラの夏は、例年にくらべて快晴の暖かい日が続き、皆この気候を無駄にしないようにと屋外でピクニックやバーベキューをしていて、心地よい夏らしさを楽しめました。約2カ月あった夏休みはこれまでにないような新しい体験がたくさんでき、大変充実していました。

7月上旬に参加した2週間のサマープログラムは、私を大きく変えてくれました。世界の様々な国の生徒が集まり非常にレベルの高い講義を受けただけでなく、夕方には皆でたくさんのアクティビティーに参加し、数えきれないほどのユニークな友人ができました。私は法律の専門コースを選択しましたが、高校では習うことができない教科ということもあり、基礎から応用までじっくり学べる授業は大変役に立ちました。日本でいう六法の判例や法哲学のディスカッションをするのはかなり難しく、最初は他の14人の生徒のテンポについていくのに精一杯でしたが、後半にはディスカッションに楽しんで参加している自分に気づき、嬉しく感じました。30分のプレゼンテーションやショートスピーチ、ディベートから先生の質問の応答など、常に気を抜くことなく自分の意見をしっかり相手に伝わるように発言しなければならない環境は、私をcomfort zoneから押し出してくれ、2週間で大きく成長できたように感じています。中でも一番楽しかったのは、こちらではmootと呼ばれる模擬裁判です。私は検察官の役になり被告を尋問し、チームで証拠や法律を分析していかに有罪に持ち込むかの話し合いをし、授業で学んだ知識を活かせて達成感がありました。また世界各国からの友人と話すと常にびっくりするような新しい事や意見が聞けて刺激的でした。例えばギリシャの経済状況の悪さやブラジルの政府の非効率性といった内容から、ドバイは乾燥して暑すぎるので人工的に雨を作り出す機械があるといったことまで教えてもらいました。この先も友情が続く一生の友人ができました。

7月下旬には、One Young WorldというInternational Youth Summitを開催している国際的な組織とMPAC Groupという金融犯罪を扱う法律事務所の二つの職場でインターンシップをしました。本格的な会社で働くのは初めてでしたが、エクセルやワードを使ったりミーティングでメモを取ったりして社会人になった際、役に立つ経験ができました。特に金融犯罪のmoney laundering やbribery、またBrexitの影響など専門的な知識も得ることができ、大変有意義な経験となりました。
また、TOPSにも数日間参加させていただき、英国でもとても名声の高い教授の法律の授業を受けることができたのは幸運でした。教授からの質問に答えた途端に、すぐに鋭く突っ込まれたり、状況を変えて質問されたり、とても深く考えさせられ、法学の奥深さを知りました。法律を学ぶだけでなく、なぜこのような法律なのか、この法律によってどのような問題が生じるか、といった根本的な質問が一番難しく、だからこそとても興味深く多くのことを学べました。予定されていた授業以外にも、様々な講義を聞いたり、教授と直接話したりできる機会があり、またLondon、Bath、Bristol、Cotswoldにも行くことができ中身の濃い充実したプログラムでした。

8月には、友人のアイルランドの家に行き、湖で泳いだり海に釣りに行ったり、アイリッシュの歌を歌ってもらったりとスコットランドとはまた少し違うアイルランドの文化を思う存分楽しんできました。9月からは、最高学年として男女混合の新しい寮で新学期が始まります。これまでになく忙しくなりそうですが、高校で過ごす最後の一年もいろいろな事を両立させながら、楽しみたいと思います。

こちらに来てから一年間素晴らしい経験を重ねることができたのも私を応援してくださる方々のおかげです。これからも常に感謝の気持ちを忘れずに、2年目もさらに充実させられるよう様々なことにチャレンジして一日一日大切に全力で頑張ってまいります。ありがとうございます。