お知らせ

国立筑波大学附属高等学校 Sさん(女生徒)

先日、オンラインでのLeaver’s Ceremonyがあり、Kingswoodを卒業しました。実際に英国にいたのは1年半でしたが、このSixth Formの2年間はいろいろな出来事が次々とあり、私の中で今までで一番濃く、成長した2年間になりました。

行ってすぐは、溶け込めずに孤立している感じで、本当に辛かった時もありました。最初は、なぜ私を受け入れてくれないのか、と周りの人に対する嫌な気持ちが少なからずありました。しかし、向こうの立場になると、いきなり入ってきた人とどう接すればいいのかよくわからなかったはずです。人は変化を嫌う習性があるので仕方がないことです。
ここでやはり思い知らされたのは、人を変えるのではなく、自分が変わらなくてはいけないということです。周りに信頼されるためには、自分がもっと積極的にならなくてはと思い、意識して自分から話題を振ったり、MUNやビーチクリーニンングから合気道まで、様々なことに参加したりしました。
その時は、何が正解か分からずにがむしゃらに色々なことに挑戦していましたが、今考えてみればそのお陰で、良い友達もでき、House mistressやtutorなどの先生とも良い関係が築けたのだと思います。また、1年目でみんなからの信頼を得られたからこそ、Year 13ではHead of Boardingになることができ、さらなる挑戦ができたのだと思います。

もう一つ心に残ったのは、Big Bang Competitionという化学のコンテストです。私たちのチームは、「傷の直り具合が、目で見てわかる絆創膏」を作ることに挑戦しました。人工イクラや、ボバを作る仕組みを利用し、細菌が色素を含む小さなボール状のものを食べたら色が変わるというアイデアを生み出しました。なんとか予選を通過し、バーミンガムで開かれるイギリス国内全体の大会に出場できるはずでしたが、新型コロナウイルスの影響で中止になってしましました。急遽5分以内のビデオの提出での参加となり、私が中心になって作成し、日本に帰国する当日になんとか完成させることができました。その結果はSenior Science Categoryでの優勝でした。自分が中心となって進めたプロジェクトでの優勝は、大きな自信となりました。

その一方で、大学受験は、思うようにいかず一時期は落ち込みました。しかし、私の周りの人たちは、本当に行きたい学部に行くためにギャップイヤーをとることを積極的に勧めてくれました。日本ではあまり聞きませんが、実際に、英国では高校卒業後に1年間ギャップイヤーを取る学生はたくさんいます。その1年間では、海外でボランティアをする人、旅行をする人、職場体験をする人などがいます。いろいろな人と出会い、様々な文化や価値観に触れることで、将来自分が本当に何をやりたいのかを見つめ直すきっかけになります。私もこの機会をポジティブに捉え、何か新しいことに挑戦してみようと決意しました。まずは、ウガンダやケニアのエイズ孤児を支援するNGOのインターンから始めました。以前からそのような地域の子供の支援などには興味はあったものの、実際の現状はよく知らなかったので学ぶことばかりです。

今回もう一度受験をすることになりますが、前回の時よりもたくさんある経験を生かして挑みたいと思います。時にはフェアではないこともあるとは思いますが、自分ができる範囲のことを最後までやり遂げれば、自分の可能性を最大限にすることができ、やり切ったという達成感を味わうことができると思います。

最後になりますが、私を信じて、今までサポートしてくださった財団の方々、本当にありがとうございます。自分に限界はないと信じて、これからも諦めずに、前に進んでいきたいです。