お知らせ

国立筑波大学附属高等学校 Sさん(女生徒)

Year 13の最初のタームが終わり、イギリスでの2回目のクリスマスをホストファミリーとともに迎えました。今回は、学校が休みの期間にお世話になっているホストファミリーについて初めに書きたいと思います。

こちらの学校では年間の休みが日本の学校より多く、ホストファミリーの家で過ごす時間は長いです。私のホストファミリーは、学校があるバースの町から車で45分ほど離れた小さな町に住んでいます。自然が豊かなのどかな場所で、忙しい学校生活とは打って変わって時の流れがゆっくりです。ホストファミリーは、私たちにとても協力的で、静かに勉強に集中したい時は集中できる環境を作ってくれ、時には気分転換にと外に連れ出してくれます。近くには、ロンドンまでつながっているcanal(用水路)があり、そのcanal沿いをボートや景色を見ながらウォーキングに行くことも多いです。ホストファーザーは、canalを通るボートなどの手伝いをするボランティアをやっていて、また、歴史などにも詳しいので、歩きに出かけたりする時には、canalの閘門の仕組みなど、色々なことを教えてくれます。

クリスマスには、食卓を家族みんなで囲み、roast dinnerや伝統的なクリスマスプディングを食べたりした後にカードゲームなどをして遊びます。これらは、実際にイギリス人の家族と一緒に生活をしないと決して経験のできない貴重な体験だと思います。学校での寮生活だけでは学べない、イギリス独自の家庭的な文化などをホストファミリーと過ごすことで身を以て体感でき、光栄に思います。彼らとの会話の中で「日本人はpoliteだ(礼儀正しい)」ということが話題になったことがあります。礼儀正しいということは良いことなのですが、それ故に自分が本当に思っていることを周りに伝えようとしない人が多いという話になりました。確かに、イギリス人はたとえ自分の意見が少数派であって周りから批判されることになるとしても、自分の思うことをはっきりと言います。日本人が周りの目を気にして、politeだと思って静かにしているのは、意見を求めている側からすると逆に失礼なことなのではないかと感じました。自分を周りに理解してもらうためには、受動的にならずより自分を表現していくことが大事になっていくと思いました。

私のホストファミリーは、人との繋がりもとても大切にしています。定期的に家族や友達に会いに行ったり、自分たちに家に招待したりしてお互いが困っている時には助け合うのはもちろんですが、近所の人と交流も大切にしています。実際に、近所に住んでいる方の優しさで、私は彼の家にいあるグランドピアノで練習をさせてもらっています。

夏からのこの4ヶ月間は、大学の出願やそれに関わるテスト、面接の練習などで忙しい日々を送っていました。学校では、週1、2回同じ学部を志望している生徒が集まり、面接などで聞かれる可能性がある内容についてディスカッションをする機会や外部の人が Oxbridgeの面接練習に協力してくださる機会がありました。また、定期的に各教科の集まり(science societyやworkshopなど)があり、その分野に詳しい人が話しに来てくれます。生命についての本の著者が来た時には、「生命体の定義はなにか」ということについてのworkshopがあり参加しました。知識を問われる質問ではなく、もし自分が火星に生命体を探すのであれば、どういった実験を行えばいいのかといったことなどを議論しました。A-levelでは3、4個の科目のみを勉強することからもわかるように、こちらの学校では、自分のやりたいことをとことん勉強できる環境がそろっていています。それに加え、学校外ではガーディアンやメンターからのサポートも手厚くとても助かっています。ありがとうございます。

パブリックスクールでの生活も残り半年ほどとなりました。1日1日を大切にし、できるだけ多くのことを吸収していけるように頑張ります。