お知らせ

都立立川国際中等教育学校 Mさん(女生徒)

早くもChrists Hospital での一年が終えようとしていることに本当に驚いています。まさに風のように時が過ぎて行った一年でした。もちろん初めは日本の教育方法と全く異なるイギリスの全寮制の学校に慣れることが精一杯でしたが、友達との距離が行事、授業、スポーツなどで近くなるにつれて、会話にもついていけるようになり、日本人がなかなか得意ではない、会話に割り込む習慣にも慣れてきました。特にBarnes Bの同級生たちとはより一層仲が深まり、からかったり、冗談を言ったりなど、初めの頃には絶対にできなかったことが、ただ毎日顔を合わせる子達というくくりから大切な友達の一員にランクアップしたことで可能になったのだと本当に嬉しく思っています。このように日本では当たり前のように培ってきた友人関係も他国で外国語を使って築くと、友人を持つ嬉しさや大切さを改めて感じるようになりました。友達の中に、私のことだけではなく、日本語そのものに興味を持ってくれる子もいて、ひらがなやカタカナを教えたり、日本の伝統文化、各都道府県のことについてなどを教える貴重な機会もありました。日本にずっといたら実感する事のなかった日本語の美しさ、日本文化の特別さを同時に身に染みて感じました。

また、授業では日本にいるときにはなかなか発言する機会がなかったことを理由に、答えが合っているかもしれないときでも大きな声で発言できなかったり、自分の答えに自信が持てずになかなか言い出せなかったりなど自分をアピールすることが全くと言って良いほどできていませんでした。そのうえ、生物や化学ではまだまだ自分の学力が信用できず、専門用語も英語で上手く使えなかったことも大きな要因だったと思っています。しかし、授業でわからなかったところや宿題で疑問に思ったことなどをsupported prepに足を運んで質問しに行ったり、宿題をしっかりこなすことで、先生方が私の学習への意欲に気づいてくださり、授業内に先生が私が自分の意見を言う機会をくださったり、ESL(English as Second Language)の先生が私に「あなたはしっかり自分の意見をいつも持っているんだからそれは自分の中にずっとしまっていたら勿体無いわよ。一日2回発言することを明日から始めて、回数を少しずつ増やして行きなさい。」と言ってくださったりとたくさんの先生方に助けられながら、発言の回数を増やしていくことができるようになりました。
先生方だけではなく、授業を一緒に受けている同級生も私の意見や答えを真面目に聞いてくれる姿勢が支えとなったと思います。自分の意見を発信することで答えとの相違点を再確認できたり、専門用語を何回も繰り返し読み上げることで自然と頭に定着するなど学ぶには必要不可欠な過程だとわかりました。
Easter Holidayの直後に行われたPrediction Mock Examsで自分でも納得いくような結果を残すことができたのはRevision Courseはもちろん、各授業後に先生方に頂いた資料、教科書、参考書、ネットのまとめサイトなどを照らし合わせながら自分なりにまとめノートを作ったこと、過去問をたくさん解いたこと、添削後の宿題をしっかり見直すことが役にたったのだと思います。

生物や化学ではテストを終えた後は実験漬けの授業でしたが、実験の難易度も上がったので、化学では日本の高校の頃には教科書でしか見なかった実験器具を実際に使ったり、生物では自分で1からネットや参考書、教科書を使って資料を集めて実験を計画したりと試行錯誤の繰り返しである実験のプロセスが本当に楽しくて、自分の将来学びたい分野が鮮明に目に浮かぶようになってきました。その中でも生物で自ら計画する実験では、自分の集めたデータを統計学的に分析する際に、数学と応用数学で習ったRegression and correlation, Hypothesis testingを実際に使用し、自分なりの結論を出し、その結論を裏付ける研究結果をインターネットで探して、参考文献として使用しました。やはり統計学は化学生物の実験の信頼性を提示するために必須であることに気づかされました。

また、学校が夏休みの間に行うようにと出した課題、Independent Summer Projectのトピックとして、Scientific Americanで読んだAntibody-dependent enhancementという非常に興味深い記事についてまとめようと思っています。このように以前からNew Scientistを読んだりとadditional readingを進めていて、最新のバイオテクノロジー、薬学、医療、遺伝子組み替えなどが驚くほど進歩していることを知り、まだまだ私の前に広がっている未知の世界が今後切り開かれると思うと何よりもその研究に携わりたいという想いが強くなりました。

最後に、この一年間、人として自分の意思を持ち、始めはどんなに上手く行かなくても向上心を持ち続けて根気よく努力すれば結果はついてくることを実感し、正念場の次の一年間もまた学問に打ち込み、additional readingで視野を広げ、これからもこの一年以上に気を引き締めて頑張っていきたいと思っています。

ありがとうございます。