お知らせ

都立日比谷高等学校 Iさん(女生徒)

日本から離れ英国留学をして、はや4か月が経ちました。日本よりも少し寒く、すぐ暗くなる初めての英国の冬を迎えています。慣れない環境に飛び込み、様々な新しいことに出会い、触れ、吸収しようとする日々でした。

留学当初、勉強はもちろん大変でした。理系科目を選択しているとはいえ、初めて履修する内容(特に化学、物理)を英語での授業で学ぶのに苦労しました。しかし、予習復習を人一倍しようと心がけているうちに結果と自信がついてきました。今では、あまり不安もありません。

英国において重要で、また私が一番戸惑ったことは、社交です。毎日歩いていればすれ違った友達に笑いかけ挨拶をし、夜は寮で必ずと言っていい程、キッチンでお喋りの時間があります。朝、寮で出欠をとる時にたまたま周りに座っている人達との会話も彼らにとって要求し、要求される一つの必要事項のようにみえます。たまたま周りに座っているとは言いつつも、どこに誰の近くに座るか、お喋りにどれだけ関わるかということに彼らのアンテナが働いているようだったからです。新参者で、しかも英語の拙い私はその朝の時間が最初苦手でした。顔見知りから友達になるために会話をしなければならないからです。社交的になる必要があるからです。
その重要性と、日本との違いを最も強く感じたのは、ActivityとしてChamber ChoirというKingswoodの合唱隊に参加した時です。日比谷高校に在学していた時に合唱部に所属していた私は迷わず参加してみようと思いました。初めてそこで歌った時に日本の部活との熱量の向け方に違いを感じました。日比谷の合唱部では、生徒が一つの音楽に向き合って、作り上げていくという練習を積み上げていました。いうなれば音楽という作品自体に熱を向けていました。一方で、こちらの学校では、合唱隊という同じ場にいる人たちとのコミュニケーションを楽しむために合唱隊が存在するような印象でした。社交に熱を向けているということです。正直一度はその違いに抵抗を感じました。しかし、社交が英国人にとって重要な要素の一つであると考えるようになり、自分もその場を彼らの熱の向け方で精一杯楽しもうと思いました。また、その違いに気付いたことがバイカルチャーにもつながっていくのかなと思います。

この4か月は文字通り目まぐるしく、新しいことの波にもまれながら過ごしてきました。まだまだ英語力も社交力も不十分ですが、自分なりに目一杯楽しみながら日々励んでいこうと思います。