お知らせ

Oさん(男生徒)都立桜修館中等教育学校出身

私は、自分が先輩方の過去の留学生報告書を参考にしていたことを踏まえ、高校生として留 学する一人の人間がどのような経験をどのような心情で望んでいるかを書き記し、留学生 生活のサンプルとして未来の留学生が活用できるようなレポートにしようと考えています。

今回は出発前レポートということで、自分が出発する前はこの留学に何を期待しているの かということを書き記し、実際に留学した際に期待したものが得られたのか否か、思いがけ ず得られたものは何かなどが後から見返してわかるような内容にしたいと思います。 

まず私のおおまかなこの留学の目標は、他を通して自分を知ること、にあります。例えば、 (これはよく言われる話ではありますが、)「日本人のアイデンティティ」とは何かという問 いに私はうまく答えられません。それは私が日本人以外を深く知らないからだと考えてい ます。日本でずっと暮らし ていると、周りにいるのは自分とほぼ同質な人ばかりで、日本人 として見られることはなく他者との違いはただの個性にとどまります。だからこそ自分と は大きく異なったバックボーンを持った人々を深く知ることによって、自分が属している 日本人という集団を自信を持って説明できるようになりたいのです。「自分を知ること」と いうのは文化だけにとどまりません。例えば、私は自分が将来なりたいものを聞かれるとい つも戸惑ってしまいます。それは、やってみたいことや成し遂げたいことというものがない ためではなく、自分に何ができて何ができないのかに ついて全く見当がつかないためです。 17歳ともなると、さすがに自分に出来そうなことと出来なさそうなことの検討をしてから 自分の夢を語ろうとします。しかし、現状の私では自分に出来そうなことと出来なさそうな ことの検討をつけるのですら難儀なのです。今はまだそんなことを考えずにやりたいこと に向かって進めとよく大人には言われますが、大人になってから自分の能力を見極めてい るようではもう遅いと考えてしまうのです。だからこそ、現在の学校という狭い母集団の中 だけでなく、より広い世界の中に自分を置き、自分が持っている能力やそれの活 かし方を学 びたいと考えています。

以上が私の当面の目標です。ここからは、出発前となった今自分がどのような心情でいるか を記述したいと思います。

正直この出発前レポートを書いている時点ではかなり不安に思っている部分が大きいです。 自分は英語も拙いですし、一人暮らしやホストファミリーとの暮らしも経験がないため、自 分がその中でうまくやっていけるかどうかということに強い不安を覚えています。しかし、 心配事ばかり思っていても物事はいい方向に向かないと考えているため、なんとか気持ち を前向きに保とうとしている状態です。ただ 、自分は基本的に「なんとかなる」のスタンス で生きていて、意外と生きやすいと感じているので、これからも「なんとかなる」の気持ち を持って困難は乗り越えていこうと思っています。

最後になりましたが、これまでも、これからも手厚い支援をしてくださる田崎財団の皆様、 本当にありがとうございます。壮行会の際もお話ししましたが、私はこの支援自体を投資の ように感じています。「これだけの支援をしたのにこれだけの結果なんて」と思われないよ う、さらにはこいつに時間とお金を費やしてして良かったとそう思っていただけるような 留学生活にし ていきたいと考えています。だからと言って結果を出すことに躍起にならず、 のびのびと着実に努力していきますので今後ともよろしくお願いいたします。