お知らせ

Mさん(男生徒)国立筑波大学附属駒場高等学校出身

Kingswoodは、街全体として世界遺産に登録されているBathにあります。
Bath中心部には18世紀から19世紀にかけて作られたベージュの建物が並んでおり、ビルが立ち並ぶ東京とは打って変わって穏やかな雰囲気です。Bath abbeyやRoman Bathといった名所も密集していて、コンパクトな街という印象です。

Kingswood自体は中心部から徒歩30分ほど離れた坂の上に位置しています。校舎に加えて、若干離れた寮、そして校舎からさらに坂を登って徒歩15分ほどのところに2つのグラウンドがあります。
週2時間ある体育の授業では、毎回グラウンドに行くために坂を登らなければならないのですが、一部の生徒は車を使っているという話もあります(学校は使うなと言っています)。

Kingswoodでの1日は割とシンプルで、朝の集会を行い (曜日ごとに内容は変わる)、1日中授業を受け、放課後1時間のActivityがあり、夕食後2時間のPrep Timeがある、というスケジュールになっています。授業の科目が少ない影響で毎日ほぼ同じ回数ずつそれぞれの科目があり、曜日ごとの特徴が少なくモノトーンです。

科目に関しては、自分はMath、Further math、Physics、Computer scienceを選択しています。
Math/Further mathに関しては統計分野以外全てすでに知っていることで、余裕がある状況で進めることが出来ています。率直に言ってしまえば暇で、最近は先生に許可をもらって演習中は本を読んでいることが多いです。
Physicsは新しい範囲が多いですが、英語で困るというようなことはあまり無く、日本にいた時と同じような学習方法で大丈夫だと感じています。
Computer scienceでは、コンピュータの仕組みやデータベース、コンピュータに関する法/倫理/文化的問題などを学びました。現地の生徒はGCSEでComputer Scienceを選択しておりすでに触れた範囲が多いのに対し、自分が日本で学んだことはあまり役に立たなかったため1から学ぶ必要がありました。それに加えて、自分の場合はA-levelが始まってから2ヶ月半後という遅いタイミングでComputer scienceを始めたため、遅れをとっている状態になっています。
大変ではありますが、成績の20%を占めるCourse workはComputer scienceの魅力の一つです。Course workでは、ゲーム開発やサイト作りなど、自分で決めたテーマに沿って2年間かけてプロジェクトを作ります。
A*が取りにくい科目と言われていますが、やりがいがあり自分の中では一番楽しい科目です。

休暇に関してはこれまで、入学前、Half termとChristmas holidayの3つあり、自分は3つ異なるホストファミリーに泊まりました。
どのホストファミリーでも自分の部屋を割り当てられ、ご飯は昼夜は一緒に食べる、ということが多かったです。留学を受け入れるだけあって心の余裕があり、大人として接してもらえました。映画を鑑賞したり、チェスをしたり(ホストファザーと勝負して負けました…)、カラオケをしたり(Sさん上手すぎ)、リラックスして過ごせています。

イギリスに留学してから目に見えて変わったと思うのは、これまで以上に自分と向き合う時間が多くなったことです。

日本では部活、塾、そして学校行事で割といっぱいいっぱいになっていたのですが、Kingswoodに入学してからはそれらが無く、自分1人での時間が増えたように思います。DofEとMUNをActivity (週1の放課後活動) として選択しましたが、たかだか週1時間でそこまで打ち込むことができるものでもありません。また、Boarder(寮生)は夕食後に2時間のPrep timeという宿題をやる時間があるのですが、宿題はすぐ終わってしまうため毎日1時間は自由時間があるというような状況です。

必然的に、自分の興味がなんなのか、自分が将来やりたいことがなんなのかという疑問と向き合う時間が増えました。本に没入したりオンラインコースを受けたりしていましたが、選択肢が広がりすぎた困惑なのか、本当にやりたいことがやれていないのではないかという焦燥感を感じるということを繰り返しています。

その時間の中で決めたことの一つが、Computer scienceを選択することというわけです。
自分はもともとAIや最新のテクノロジーに惹かれていました。またChatGPTからも分かるように、AIを中心とした、人間の概念を変えてしまうようなより大きな波が来ているのではないかと感じたため、大学で志望することにしました。
その結果が、それまで選択していた科目である万能なChemistryを、かなり遅い段階でComputer Scienceに変えるという行動につながりました。

いかに自由な時間を、自分を律して有効活用できるかがSixth formの課題であるような気がします。
次タームは、一人で考えるだけでは見えないことも多々あると思うので、外部の情報を集めたり人と出会ったりしてみるということを自分に課したいと思います。