お知らせ

Mさん(男生徒)国立筑波大学附属高等学校出身

“The dream of yesterday is the hope of today and the reality of tomorrow.” (昨日の夢は、今日の希望であり、明日の現実である。)

この言葉は、ロケットの父と呼ばれる20世紀の科学者、アメリカのロバート・H・ゴダードのものです。

小さい時から空を眺めることが好きでした。空の先にある広い宇宙を想像しながら、誰も見たことのない場所に行ってみたいと思っていました。そしていつの頃からか、漠然と将来は宇宙飛行士やパイロットなど航空産業に関わる仕事がしたいと考えるようになっていました。

その目標がより明確になったのは、宇宙飛行士・野口聡一さんの著書、『宇宙においでよ!』に出会ったときのことです。野口さんが宇宙飛行士を目指したきっかけの一つとして挙げたのが「『仕事』としての宇宙」。20世紀前半までは宇宙に行くことが人類の目標でしたが、20世紀後半では宇宙に行けることは前提となり、宇宙で作業を行い成果を出すことが目標となりました。今までぼんやりとしか描けていなかった理想像の輪郭がはっきりとしたような衝撃を受けました。

その後、自分は宇宙で何をしたいのかを考え、ものづくりに興味がシフトしていきます。もともと動くものを手作業で作ることが好きだった自分は、近くのロボット教室に通って作り方を学び、中学校に入ってからはロボットコンテスト参加チームの一員としてハード制作も担当しました。

高校に進学後、具体的に将来の進路を決めようとしたとき、Tazaki財団の英国留学プログラムの存在を知りました。宇宙飛行士やパイロットには職業柄英語が必要です。また他国の人とも意思疎通が図れるコミュニケーション能力も求められます。イギリスへの留学でそれらの力を養えるのではないかと思い、応募することに決めました。

自分が奨学生に選ばれたことは今でもまだ実感が湧きません。

異国の地の慣れない生活に思いを馳せると、言語や文化の違いなど、不安なことは尽きません。しかし、それらは日本国内にいたら決して知り得ないものです。海外留学で全く違う環境に身を置くことで、現地の先生や外国人のクラスメイトと積極的に交流を図り、異文化交流についての理解を深めていきたいと思います。

ロバート・H・ゴダードの言葉の通り、昨日の夢を追いかけ続けてつかんだチャンスです。イギリスへ渡ったあとも、今日の希望を明日の現実に変えられるよう努力していきたいと思います。

最後になりますが、手厚く支援をしてくださっているTazaki財団の皆様に感謝申し上げます。学習環境の提供や事務関係のサポートなど、多岐にわたるお力添えによって、無事スタートラインに立つことができました。留学を通して得た成果を、日本や社会に還元していけるよう、自分の道を究めていきたいと思います。