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Kさん(女生徒)都立日比谷高等学校出身

振り返ると長くもあった短くもあった高校生活もついに終わり、無事卒業することができました。このように何不自由もなくのびのびと高校生活を謳歌できたのもひとえに財団の手厚いサポートのおかげです。改めてここに感謝申し上げます。大学でも財団のNonbless Oblidgeの心を忘れずに精進していきたいと思います。
このレポートでは、私が進学先として決めた医学部について、高校生活を振り返ってと大学での抱負について述べていきたいと思います。

※下記の内容は、すべて2023 Apply時点での情報なので、来年以降変更点があると思います。最新の情報は各大学等のホームページ等を確認してください。

まず、医学部についてです。医学部にはユニークな点があり、このレポートではそのうち5点話したいと思います。

1、年数
イギリスの医学部はオックスフォードとケンブリッジは6年間、他の学校では5−6年かかります。オックスブリッジの場合3年目はIntercalation yearといって医学以外の興味のある学部に行って勉強をする時間となります。理系だけでなく文系の教科も選ぶことはできるようで、人気は科学系ですが、一定数経済や歴史などを選択する人もいるようです。

2、コースの仕組み
イギリスの医学部は学校によって授業の体系が大きくTraditional style, PBL(Problem-based learning, CBL(Case-based learning), and Enquiry-based learningの4つに分けられます。
-Traditional: オックスブリッジでのみ使われています。日本の大学の形式に一番似ていて、最初の2年間は講義ベースの授業で医学についての学問的な理解を深めます。そして4年生から3年間病院で行われる研修を通して、実践的な技術や知識を学びます。
-PBL: 多くの大学に採択されていて、学部1年目から少人数のグループに分かれて実際のシナリオを用いたり病院での研修を通して学びます。講義や参考書を使っての座学は少なめになります。 -CBL, Enquiry-based: Liverpool, Cardiff, Glasgow, Birmingham, Plymouthなどいくつかの大学で使用されています。PBLとTraditionalの中間に位置し、グループでシナリオ等を通して勉強した後に講義などでバックアップを図ります。
詳しくは以下のリンクに詳しく説明があります。
https://www.themedicportal.com/application-guide/choosing-a-medical-school/teaching-styles/?v=24d22e03afb2

3、留学生枠について
他学部が留学生と現地の学生関係なく同じ基準で選考されるのに対し、医学部では留学生は全体の約10%以下に限られているため、留学生枠の定員が決まっています。例えばケンブリッジ大学ですと毎年22人です。それに伴い、留学生の選考の方が厳しくなることも多々あります。例えば、UCATの足切りスコアが留学生の場合現地の生徒と比べて100点程高くなります。

4、受験校
イギリスでは、最大5つの異なる大学の学部に基本的に自由に出願できます。その中で、医学部には最大で4校まで出願でき、必ず1校は医学部以外の学部を受験しなくてはなりません。つまりBiomedical science等医学部に近い学部に少なくとも1校出願することになります。これは、医学部の競争率の激化を鑑み、不本意にGap yearを取らざるおえなくなる生徒を減らすためだと考えられます。

5、Entrance Examと面接
医学部は大学に関わらずEntrance Examを受ける必要があります。この試験の結果をもとにインタビューに進めるかの選考が行われ、その後インタビューでのパフォーマンスを元に合否が決定します。また、オックスブリッジだけでなく全ての大学の医学部の入試にインタビューが課されていて、課外活動や動機だけでなく、シナリオが渡されロールプレイを行ったり最近NHSの状況など時事的なことまで幅広く質問されます。

まとめ

高校在学中の最も大きな転機はyear12の2月にケンブリッジ大学のMarry Edward Collegeで開催された医学部のオープンデイに訪れたことだと思います。まずケンブリッジの街の雰囲気に魅了され、その後カレッジ内で勉強している大学生の意気揚々と勉強している姿に強い憧れを抱きました。そして医学部のコースの説明を聞いた時に、医学を実践面だけでなく学問という側面から探究できるこの大学で学びたいと強く思いました。実際に足を運んで大学の雰囲気などを掴むことの大切さを感じました。私の場合は、ケンブリッジに出向いた時の思い出があったからこそ少し大変な時でも頑張り続けられたと思います。大学ではさまざまなトピックを専門に研究されている教授に出会えると思います。早い段階から研究室や研修などに参加して自分が将来専門にしたい分野を決めるための準備の時間になればと思います。大学では再び環境が大きく変わると思うので、それに適応して心身ともに長期的に学び続けられる生活スタイルを確立していきたいと思います。

最後に、Tazaki財団のご支援なくしては高校二年間を実りある時間にはできませんでした。改めてここに感謝を申し上げます。8月に開催された壮行会で、田崎理事長ご夫人の’亀みたいに萎縮せずまずやってみる’というお言葉が心に残っています。高校生の間は最初の一歩を踏み出せず後悔する場面が多々ありました。なので大学では積極的に自分から動いていき、将来世界をリードできる人間に成長していきたいと思います。

※その他レポート欄に医学部受験についての追記を掲載しています。