お知らせ

Hさん(男生徒)国立筑波大学附属駒場高等学校出身

Tazaki財団留学生レポートをご覧の皆様、新年あけましておめでとうございます。2022年を迎えました。

今は休暇中でホストファミリー宅でクリスマスや年越しを迎え、イギリスに来てから約4カ月が経とうとしています。

Christ’s HospitalではSixth formに属し、A levelの試験に向けた授業を受けています。
数学では、外部の教育機関が作ったスライドが使われていたり、ひたすら教科書を読む授業、教科書の問題を解く授業で、分からないところがあれば質問に答えるよというスタンスの先生もいます。
物理や化学の先生も、興味をもったことに対して発展的な質問をすると、まず「それはA levelの試験には出ない」という旨を告げられ、量子物理学での陽子崩壊の仮説について質問したときには、「発展的なことについて調べるのは自由だが、A levelの試験ではバリオン数は保存されるので、陽子は崩壊しないと仮定しなければならないという必要な知識は知っておいてください」と返ってきました。
筑駒では、試験範囲などは全く関係なく、授業の後どんな質問に対しても、先生も快く答えてくれ、他の生徒も時には議論するという環境だったため、授業、先生の面での大きな違いを感じた次第です。

さらに日本のように授業と授業の間に10分休憩といった時間がなく、教室を移動しなければならないのですが、授業が終わった後に先生に質問をしに行くと、その先生の次のクラスを待たせ、一度次の授業が遅刻扱いとなり、ハウスペアレントに呼び出されました。

またChrist’s Hospitalには、多くの留学生がいますが、年度始まりだったからか同じ人種で固まる傾向を感じています。僕の寮の周りには、中国や香港からの留学生が多くいて、食事のときに近くに座ると中国語しか聞こえてこない状況も多々ありました。寮によって様々ですが、僕の寮は、アフリカ系、中国・香港系が多数で、俗にいう白人は1人という状況です。

英語力の面では、日々英語に触れていくことで成長を感じています。学校の勉強スペースで勉強していると、全く知らない生徒から「数学が得意と聞いたんだけど、この問題を教えてくれないかい」と質問されたり、同じ数学のクラスの生徒からも質問されたりすることがあります。初めの頃の英語力ではうまく説明できず、数式を紙に書いて理解してもらうくらいのことしかできませんでしたが、最近ではそれなりのレベルで説明できていると感じます。ただイギリスのA levelで扱われる数学の問題のほとんどは、日本にいた頃に扱っていたような解法がたくさんあったり、何段階も踏まなければならない複雑な問題ではなく、解き方が一通りしかなく単純なものなので説明はしやすいですが、今後も英語力の向上は目指していきたいです。

国が違えば、文化、生活、教育、など様々な違いがあることを実感しています。慣れるまでに戸惑うこともありますが、新しい環境に身をおく中で、それらのことを経験できることにとても感謝しています。この休暇期間中もホストファミリーと過ごすことで、どんな生活をしているのか、日本では絶対に体験できないとても貴重な経験をさせていただいています。

このような全ての環境を整えてくださっているTazaki財団の皆さま、日本から激励してくださっている僕の仲間や周りの全ての皆さま、本当にありがとうございます。次のタームでは、勉学に励むのはもちろんのこと、スポーツ、その他の活動にも意欲的に取り組んでいこうと思います。